EU、環境報告規則をさらに緩和へ 10日草案公表
ベルギーのブリュッセルにある欧州委員会本部、2019年9月19日撮影。REUTERS/Yves Herman
Kate Abnett
[ブリュッセル 8日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、EUの環境関連法をさらに緩和するための草案を作成した。産業界に汚染や廃棄物に関する報告を義務付ける規定を緩める内容。ロイターが入手したEUの草案で明らかになった。
官僚主義を廃し、収益性を損なうと産業界が主張している規制を緩和するためのEUの取り組みの一環だ。草案は10日に公表される予定。
欧州の環境規制は世界で最も厳しいもので、CO2(二酸化炭素)排出量、水質、有害化学物質の使用禁止などが対象となっている。
草案によると、欧州委は、汚染や廃棄物を削減するための行動を盛り込んだ「環境管理システム(EMS)」を整備することを個々の産業施設や畜産農家に義務付けている要件を廃止することを提案する。その代わりに、全ての施設をカバーするスリム化されたEMSを1つ持てば良いこととする。
また、気候変動目標に沿った「変革計画」を産業施設に求める要件も廃止し、畜産・養魚場が水とエネルギーの使用量を報告する義務もなくす。
草案によると、こうした案を合わせると、年間約10億ユーロの管理コストを削減できるという。





