中国輸出、11月は予想上回る伸び 米国以外への出荷が好調
12月8日、中国税関当局が発表した11月の貿易統計によると、輸出はドル建てで前年同月比5.9%増と、市場予想の3.8%増を上回った。写真は、中国広東省深セン市塩田港ターミナルのクレーンと貨物船。10月撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)
Joe Cash
[北京 8日 ロイター] - 中国税関当局が8日発表した11月の貿易統計によると、輸出はドル建てで前年同月比5.9%増と、市場予想の3.8%増を上回った。米国以外への出荷増に支えられた。トランプ米大統領の法外な高関税を受け、製造業は他の国々との貿易関係を深めている。
輸入は1.9%増加した。市場予想は3.0%増だった。
10月の輸出は1.1%減、輸入は1.0%増だった。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、Xu Tianchen氏は「中国の対米直接輸出に改善は見られない。一方、欧州連合(EU)、アフリカ、中南米への輸出が好調だった」と述べた。
キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、Zichun Huang氏は、米中貿易戦争の一時停戦を受けた関税引き下げは、対米輸出の増加にはつながらなかったが、全体の輸出の伸びは回復したと指摘した。「中国の輸出は底堅く推移し、来年も世界市場でのシェアを拡大し続けるだろう」との見方を示した。
同氏は「米国の関税による貿易減速を相殺する上で、貿易ルートの変更が果たす役割は増大しているようだ」と分析した。
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が10月30日に韓国で会談した後、米中両国は関税の一部引き下げやその他の措置の緩和で合意したが、11月の対米輸出は前年比29%減少した。
欧州連合(EU)向け輸出は14.8%増、オーストラリア向けは35.8%増となった。東南アジア向けも8.2%増加した。
11月の貿易黒字は1116億8000万ドルで、前月の900億7000万ドルから拡大し、市場予想の1002億ドルを上回った。
1─11月の貿易黒字は初めて1兆ドルを超えた。
エコノミストの推計によると、米国市場へのアクセスが減少したことで、中国の輸出伸び率は約2%ポイント押し下げられた。これは国内総生産(GDP)の約0.3%に相当するという。





