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仏首相、年金改革を27年まで停止 不信任案回避へ左派に譲歩

2025年10月15日(水)00時35分

フランスのルコルニュ首相は14日、マクロン大統領が進めてきた年金制度改革を2027年に予定される大統領選後まで停止すると発表した。自身の内閣を維持するため、左派の圧力に屈した形となる。写真は10月14日撮影(2025年 ロイター/Gonzalo Fuentes)

[パリ 14日 ロイター] - フランスのルコルニュ首相は14日、マクロン大統領が進めてきた年金制度改革を2027年に予定される大統領選後まで停止すると発表した。自身の内閣を維持するため、左派の圧力に屈した形となる。

ルコルニュ氏は週内に少なくとも2回の不信任決議案に直面する見通し。26年予算案の可決に向けた地ならしを目指し、議会で「年金制度改革を大統領選まで停止することを提案する」と述べた。28年1月まで退職年齢の引き上げを行わない方針も示した。

ただ、停止措置に伴い、26年に4億ユーロ(4億6300万ドル)、27年には18億ユーロ(20億9000万ドル)の費用が発生する見通しと指摘。「財政赤字の拡大という代償を払うべきではない」とし、節減策などを進める必要性を強調した。

ルコルニュ首相による年金改革の停止決定は、財政赤字が抑制できないことに懸念を強める投資家だけでなく、増税に難色を示し、一段の緊縮財政を求める保守派議員らの反発を招くリスクがある。

しかし、改革停止表明後、中道右派「共和党」の有力議員からは、再選挙に賭けるよりも予算交渉を行った方が良いという声も聞かれ、ルコルニュ氏にとっては幾分猶予を得た格好となる。

ロイター
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