ニュース速報
ワールド

EUの「ドローンの壁」構想、欧州全域に拡大へ=関係筋

2025年10月14日(火)19時59分

欧州連合(EU)欧州委員会が、東部国境地域で提案していた「ドローン(無人機)の壁」構想を欧州全域に拡大する新たな計画を策定していることが14日、複数のEU当局者や外交官の話で分かった。探知システム搭載車、オーストリアで3日撮影(2025年 ロイター/Elisabeth Mandl)

Andrew Gray Lili Bayer

[ブリュッセル 14日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会が、東部国境地域で提案していた「ドローン(無人機)の壁」構想を欧州全域に拡大する新たな計画を策定していることが14日、複数のEU当局者や外交官の話で分かった。

計画は「欧州ドローン防衛構想」として16日に発表予定の「防衛即応ロードマップ」に盛り込まれる見通し。

背景には、一部の加盟国が「地理的に取り残された」と不満を表明したことがある。計画は当初、ポーランドなど東欧を中心としたものだった。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、ロシアのドローン約20機が先月、EUと北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるポーランドの領空に侵入したことを受け、防空体制の強化策として「ドローンの壁」構想を提案していた。

欧州委によると、構想では、バルト3国から黒海にかけて、センサー、電子妨害装置、兵器などを連携させたネットワークを構築し、将来的な領空侵犯を防ぐことを狙う。

東欧諸国は同構想を支持する一方で、南欧や西欧の加盟国は、自国上空のドローンの脅威への対応が軽視されていると懸念を示していた。

こうした中、クビリウス欧州委員(防衛担当)は14日、ブリュッセルで開かれた防衛会議で演説し「ドローンの壁、いや、欧州ドローン防衛構想を提案する」と発言。「欧州全域を対象とする対ドローンネットワークや、その他の防衛重点プロジェクトを推進する」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場・序盤=反落、米中貿易戦争巡る懸念で 

ビジネス

日本の経済成長率予測を上げ、段階的な日銀利上げ見込

ビジネス

今年のユーロ圏成長率予想、1.2%に上方修正 財政

ビジネス

IMF、25年の英成長見通し上方修正、インフレ予測
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 4
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 5
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 8
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 9
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 10
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中