トマホーク供与なら米ロ関係は破綻、プーチン氏が警告

10月5日、ロシアのプーチン大統領(写真)はトランプ米政権が巡航ミサイル「トマホーク」をウクライナに供与することを認めれば、米ロ関係の破綻につながると警告した。ロシア南部ソチで2日代表撮影(2025年 ロイター)
[モスクワ 5日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は5日、トランプ米政権が巡航ミサイル「トマホーク」をウクライナに供与することを認めれば、米ロ関係の破綻につながると警告した。
トランプ大統領は、8月にアラスカ州でプーチン氏と首脳会談した後もロシアがウクライナとの和平を一向に進めないことに失望感を表明。バンス副大統領は先月、首都モスクワを含むロシア領奥深くを攻撃できるトマホークを供与してほしいというウクライナの要請を米政府が検討中だと発言した。
こうした中でロシア国営テレビが伝えたところでは、プーチン氏は「トマホーク供与は米ロ関係、あるいは少なくとも両国関係に生じている前向きの動きを壊すことになるだろう」と述べた。
トマホークは射程距離が2500キロに及び、ウクライナが入手すれば、モスクワだけでなくヨーロッパ・ロシア(ウラル山脈の西側)全体を攻撃できる。
プーチン氏は2日にも、米軍の直接関与なしでトマホークは使用できない以上、ウクライナへの供与は「質的にエスカレーションの新たな段階を意味する」とけん制している。
一方ある米政府高官ら4人の関係者はロイターに、トランプ政権がウクライナにトマホークを供与したくとも、現在の在庫は全て米海軍など配備先が決まっているので、実行できないかもしれないとの見方を示した。