資産価格・ソブリン債務にリスク=豪中銀金融安定報告

オーストラリア準備銀行(中央銀行)は2日公表した半期に一度の金融安定報告で、高騰した資産価格の急激な反転や債務水準の上昇による国債市場のストレスが世界の金融システムのリスクだと警告した。写真は2018年2月、シドニーで撮影(2025年 ロイター/Daniel Munoz)
[シドニー 2日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は2日公表した半期に一度の金融安定報告で、高騰した資産価格の急激な反転や債務水準の上昇による国債市場のストレスが世界の金融システムのリスクだと警告した。
国内銀行は十分な資本を有し、インフレと借り入れコストの低下により家計の負担も和らいでいることから、国内金融システムは世界的な景気低迷を乗り切ることができるとした。
ジョーンズ総裁補は「最大のリスクは海外から来るとみている」とし、「主要国の高い債務水準、資産価格の高騰、世界市場におけるレバレッジの上昇を注視している」と述べた。
中銀は長引く中国の不動産不況も同国金融システムへの脅威だとし、近く緩和される兆候は見られないと指摘した。
報告書は国内銀行に対し、サイバーリスクや地政学リスクへの耐性を強化するよう求めるとともに、住宅ローンの融資基準緩和に注意を促した。
ジョーンズ氏は「豪国内の家計、企業、銀行は、大半の危機を乗り切ることができる状態にある」とし、「ほとんどの家計は住宅ローン返済を滞りなく続け、生活費上昇の圧力にもかかわらず貯蓄のバッファーを積み上げている」と述べた。
中銀は今年、3回の利下げを実施したが、一部セクターでインフレが粘着的になっていることから、さらなる緩和は不透明だ。
ローン金利低下により住宅市場の需要が再燃し、住宅価格は9月に過去最高を記録。バブルの可能性に対する懸念が高まっている。
中銀は所得に対する債務の比率が高い融資や投資家向け融資、当初利息のみを返済するインタレスト・オンリー(IO)ローンの制限など、マクロプルーデンス政策の緩和に警鐘を鳴らした。