モロッコ全土に抗議行動拡大、アガディール近郊で2人死亡

モロッコ南西部アガディール近郊のルクリアで1日夜、武装集団が武器を奪おうとしたため、治安部隊が発砲し、2人が死亡、複数が負傷したと地元当局が発表した。写真は9月29日、ラバトで撮影(2025年 ロイター/Ahmed El Jechtimi)
Ahmed Eljechtimi
[ラバット 1日 ロイター] - モロッコ南西部アガディール近郊のルクリアで1日夜、武装集団が武器を奪おうとしたため、治安部隊が発砲し、2人が死亡、複数が負傷したと地元当局が発表した。
地元当局によると、ナイフで武装した集団が治安部隊の拠点へ侵入を試み、施設の一部や車両に放火した。治安部隊は催涙ガスを使用したが制止できず、自衛のため発砲したという。負傷者数は公表されていない。
先週末に始まった教育や医療の質向上を求める抗議活動は「GenZ212」を名乗るグループが組織した。中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」、インスタグラムなどのプラットフォームを通じて支持を呼びかけている。
内務省は9月30日の衝突で治安部隊員263人と民間人23人が負傷したと発表した。
暴動は1日夜には首都ラバト近郊のサレにも広がった。目撃者によれば、若者の集団が警察に投石し、商店を略奪し、銀行や警察車両に放火した。ジブラルタル海峡に面するタンジールでも若者らが治安部隊に石を投げつけた。
アガディール近郊のスース地域では2夜連続で激しい騒乱が発生した。地元住民によると、覆面姿の若者が自治体庁舎に放火し幹線道路を封鎖した。アガディール南のビオウグラでは銀行が略奪され、商店も被害を受けた。
地元メディアのLe Deskによると、主要観光地マラケシュでは警察署への放火を含む激しい衝突が起きた。一方、主要商業都市のカサブランカや東部のウジダ、タザでは平和的なデモが行われた。
抗議行動の参加者らは政府の汚職を非難し、アハヌッシュ首相の辞任を求めている。内務省は1日、法の範囲内での抗議の権利を尊重し、「挑発を避け、自制と抑制をもって」対応すると表明した。
GenZ212は暴力を否定し、平和的な抗議を続ける方針を示している。