バルト3国、米議会に防衛支援継続を要請 ロシアとの緊張高まりで

ロシアと国境を接するバルト3国の議員は11日、トランプ米大統領が提案したバルト3国向けの年約2億ドルの防衛支援削減に反対し、米議会に継続を求める書簡を提出した。エストニアの予備役訓練、2021年撮影(2025年 ロイター/Ints Kalnins/File Photo)
Andrius Sytas
[ビリニュス 11日 ロイター] - ロシアと国境を接するバルト3国の議員は11日、トランプ米大統領が提案したバルト3国向けの年約2億ドルの防衛支援削減に反対し、米議会に継続を求める書簡を提出した。
書簡にはエストニア、ラトビア、リトアニアの議員計36人が署名。米国の防衛支援策「バルト安全保障イニシアティブ(BSI)」の維持を訴えた。
リトアニアのパビリオニス元駐米大使は「米国が去ればロシアが入ってくる」と警告した。
トランプ氏は「米国第一」政策の一環として、対外支援の削減や欧州諸国の防衛費増額を求めている。
BSIでは2018年度以降、バルト3国に年間1億6800万─2億3100万ドルを支援してきた。パビリオニス氏は「(支援停止は)非論理的だ」とし「ロシア産ガスの購入を最初に止め、国防費を大幅に拡大し、ウクライナ支援でも動いている」と述べた。
バルト3国はロシアのウクライナ侵攻を受け、防衛費を大幅に増額。25年には3カ国合計で63億ユーロ(GDP比3─4%)を計上予定で、22年以前の約3倍に増える。来年はGDP比5%超を見込む。
リトアニアのブドリス外相は「BSIに投じた1ドルは、米防衛産業に3ドルとして還元される。われわれが調達費を共同負担しているからだ」と述べた。