英貿易相が貿易交渉再開へ訪中、中国経済力「無視できない」

9月11日、中国を訪問した英国のカイル新ビジネス貿易相(写真)は、中国の経済力は「無視できない」ものだとした上で、より良い商業関係は、大使館建設計画を巡る長期にわたる対立を乗り越えるかどうかにかかっていると述べた。写真は5日、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Jack Taylor)
Joe Cash
[北京 11日 ロイター] - 中国を訪問した英国のカイル新ビジネス貿易相は、中国の経済力は「無視できない」ものだとした上で、より良い商業関係は、大使館建設計画を巡る長期にわたる対立を乗り越えるかどうかにかかっていると述べた。
先週ビジネス貿易相に就任したカイル氏は、英中共同経済貿易委員会(JETCO)の下で貿易協議を再開するため訪中した。JETCOは、新疆ウイグル自治区の人権問題や香港民主化運動などを巡り両国が対立したため2018年を最後に開かれていなかった。カイル氏は、特に農業、自動車、専門サービスで5年間で10億ポンド(13億5000万ドル)相当の貿易障壁の撤廃に取り組む。
しかし、ロンドンに欧州最大の大使館を建設するという中国政府の計画が貿易交渉に影を落とす。英政界や米国は、この大使館が中国のスパイ活動に利用される可能性があると警告し、計画は約3年にわたって停滞している。英住宅当局は、計画について、来月判断を示す予定。
カイル氏は、英国が欧州連合(EU)のように脱中国リスクを図り、国内の産業戦略に焦点を当てるべきかという記者団の質問に、「中国は、台頭する経済的地位から、無視できない存在であり、関わりを持つことが望ましい」と述べた。
「中国が多くのチャンスと同時に多くの不確実性をもたらしているという事実に、われわれは躊躇(ちゅうちょ)すべきでない。それは実際にわれわれを引きつけ、動機付けになる」と語った。
大使館建設計画については、「もし中国が、2020年代にふさわしい、現在の中国にふさわしい関係を英国とイギリスと築きたいのであれば、中国が貿易やビジネス、交渉を望んでいる相手国も、その時代にふさわしい施設を持つことができるべきだ」とする一方で、「計画申請は政府から独立している」と述べた。