ロシアがシリアに大規模代表団、新政府と関係構築 ノバク副首相率いる

ロシアは９日、エネルギー政策を担当するノバク副首相（写真）が率いる大規模な代表団をシリアに派遣した。モスクワで５月撮影（２０２５年　ロイター/Maxim Shemetov）

［モスクワ　９日　ロイター］ - ロシアは９日、エネルギー政策を担当するノバク副首相が率いる大規模な代表団をシリアに派遣した。代表団には国防省を含む多数の省庁の担当者が参加。昨年末にアサド政権を打倒したシリア新政府との関係構築に向けた明確な取り組みとなる。

ノバク氏は、シリアの人道支援とエネルギー部門の復興についてカタールと協議しているとした上で、ロシアは中東に持つネットワークを活用してシリア政府を支援できると述べた。ただ、どのような形で支援を行うかは明らかにしなかった。

ノバク氏はまた、シリアに対する空爆を含むイスラエルの「破壊的な」行動について、ロシアはシリア政府の懸念を共有していると述べた。

ロシア当局者によると、ロシアは今回の代表団派遣をシリアとの広範な協力について協議する機会と位置付けており、シリアのシャラア暫定大統領の今後のモスクワ訪問を重要視している。シャラア氏はロシアとアラブ連盟の首脳会議に出席するためにモスクワを訪問する予定。

シリアでは２０２４年末に反体制派が首都を制圧し、当時のアサド大統領はロシアに亡命。ロシアの主要な懸案はアサド政権時代からシリアに置いている海軍基地と飛行場の使用継続だが、ノバク氏はこの日の発言で軍事施設については言及しなかった。