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イスラエルがハマス幹部狙い攻撃、5人死亡か カタール首都

2025年09月10日(水)03時52分

イスラエル軍は9日、イスラム組織ハマス指導部を標的とした攻撃を実施したと発表した。カタールの首都ドーハで同日撮影(2025年 ロイター/Ibraheem Abu Mustafa)

[ドーハ 9日 ロイター] - イスラエル軍は9日、カタールの首都ドーハでイスラム組織ハマス指導部を狙った攻撃を実施した。イスラエル当局者によると、ガザ停戦交渉チームを率いるハリル・アル・ハイヤ氏を含むハマス幹部らが標的だった。

ハマス関係筋によると、ハイヤ氏は生き延びたもよう。

ハマスは、ハイヤ氏の息子を含む5人が死亡したと発表。ただ、イスラエルによる停戦交渉チーム暗殺の試みは失敗したと言明した。

別の関係筋の情報では、イスラエルは攻撃後の情報を収集中で、ハマス指導部が死亡したかどうかはまだ確認していない。

ガザ停戦交渉で仲介役を務めているカタールは、イスラエルの攻撃を「卑怯」かつ国際法の重大な違反と非難した。

イスラエルのネタニヤフ首相は、この日の攻撃は「完全に正当化される」と言明。8日にエルサレム郊外のバス停で起きた攻撃や、ガザでイスラエル兵士が死亡したことを受けて攻撃を命じたと明らかにした。

さらに「テロの指導者がいかなる形であれ免責も享受できる時代は終わった。私はそのような免責の存在を許さない」と述べた。

イスラエル当局者によると、攻撃については、米国に事前に通知。イスラエルのメディアは、トランプ米大統領が攻撃を承認したと報じた。ホワイトハウスは通知があったことを確認した。

ホワイトハウスのレビット報道官は、イスラエルからの通知を受け、トランプ大統領はイスラエルの攻撃が差し迫っていることをカタールに警告するようウィットコフ中東担当特使に指示したと明らかにした。

攻撃後、トランプ大統領はネタニヤフ首相とカタールのタミム首長と個別に電話会談を行い、タミム首長に対しては「カタールの領土で二度とこのようなことは起こらない」と保証したという。

今回のイスラエルの攻撃は、中東地域内外から反発を招いている。

サウジアラビアは、カタールの主権に対する「イスラエルによる残忍な侵略」と非難。カタールと共に仲介役を担ってきたエジプトは、危険な前例となるという認識を示した。

国連のグテレス事務総長も攻撃を非難したほか、通常即時のコメントを控えるローマ教皇レオ14世は「状況全体が非常に深刻な状況にある」という懸念を表明した。

ハマスが2023年10月に仕掛けたイスラエル奇襲以降、イスラエル軍はガザのほか、レバノン、シリア、イラン、イエメンで空爆などを実施。軍事行動は中東地域全域に拡大しつつある。

ロイター
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