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インドネシア財務相解任で市場動揺、財政巡る懸念高まる

2025年09月09日(火)11時36分

 インドネシアのスリ・ムルヤニ財務相(写真)が突然解任されたことを受け、市場に動揺が広がっている。ジャカルタで2月撮影(2025年 ロイター/Willy Kurniawan)

Ankur Banerjee

[シンガポール 9日 ロイター] - インドネシアのスリ・ムルヤニ財務相が突然解任されたことを受け、市場に動揺が広がっている。投資家はプラボウォ大統領のポピュリスト的な支出計画によって、財政の信頼性が損なわれる可能性を懸念している。

スリ・ムルヤニ氏はインドネシアで最も長く財務相を務めた1人で、世界の投資家から高く評価されていた。

同氏の8日の解任を受け、同日のインドネシア株は1%下落した。インドネシアルピアは9日、下落して始まった。

テリマーの新興国株式・地政学ストラテジスト、ハスナイン・マリク氏は「ムルヤニ氏は慎重な財政政策の守護者だった。彼女の退任は制約のない、そして抗議活動を受けて圧力にさらされているプラボウォ氏の下で、財政赤字が拡大することへの懸念を招くだろう」と語った。

インドネシアでは政府への抗議デモが2週間続いている。

プラボウォ氏はスリ・ムルヤニ氏の後任にエコノミスト出身で預金保険公社会長のプルバヤ・ユディ・サデワ氏を起用した。

ナティシスのアジア新興国担当シニアエコノミスト、トリン・グエン氏は「問題は新財務相が赤字を拡大させることなく、どのようにして国内総生産(GDP)の1.5%に相当する無償給食プログラムを実施し、国防などの分野への支出を増やすかだ。投資家にとって、これは重要な関心事だ」と語った。

ロイター
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