インドネシア株・ルピア急落、抗議デモで投資家動揺

8月29日、インドネシア中央銀行は、ルピアの安定のために外国為替市場で積極的な介入を継続する方針を示した。写真は、両替商のインドネシアルピア紙幣。ジャカルタで2022年10月撮影(2025年 ロイター/Willy Kurniawan)
[ジャカルタ 29日 ロイター] - インドネシアの株式市場と通貨ルピアが29日、急落した。数日間にわたる学生の抗議活動が投資家のセンチメントを冷え込ませており、当局が市場の安定化に向け介入に動いた。
インドネシア中央銀行は29日、ルピアの安定のために外国為替市場で積極的な介入を継続する方針を示した。また証券取引所の規制当局者は、株価の下落にもかかわらず市場のファンダメンタルズは依然堅調と強調した。
この日ルピアは一時約1%下落し、8月1日以来の安値をつけた。その後は下げ渋っている。主要株価指数は2%超下落し、約2週間ぶりの安値を付けた。
同国では28日、学生らが議会前でデモを行っていた際に、オートバイの男性が警察車両にはねられ、死亡した。学生側は、29日にジャカルタの警察本部で抗議活動を行うと発表した。
学生らは、議員の給与、教育費、政府の学校給食プログラムなど多くの問題について抗議デモを実施。地元メディアによると、機動隊が催涙ガスを発射、放水銃を使用しデモを解散させようとしたという。
DBS銀行のシニアエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は、首都で抗議活動が拡大していることで、投資家が広範な社会不安や政策の不確実性のリスクを考慮しており、ルピア建て資産が打撃を受けていると指摘。「中銀は国内市場、特に域内のトレンドに逆行して急落する通貨のボラティリティーを抑制するため、手を打った」と述べた。
あるトレーダーによると、外国人投資家によるルピアの売りが加速し、ドル/ルピアのノンデリバラブル・フォワード(NDF)が急騰した。これはルピア安がさらに進むとの見方を反映している。
中銀の金融政策部門責任者エルウィン・グナワン・フタペア氏は、国内外のノンデリバラブル・フォワードおよびスポット市場での介入により、ルピア安定化のための行動を継続すると語った。また、流通市場での国債購入も継続すると述べた。
一方株式取引所規制当局のディレクター、ジェフリー・ヘンドリック氏は、株式市場の2%の下落について、市場のファンダメンタルズは依然として強くテクニカルな調整は正常だと述べた。
インドネシア株は最近、上昇基調にあり、前日には最高値を更新していた。今月に入ってからは依然として3.8%の上昇を維持している。
シンガポールに拠点を置くグラスホッパー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ダニエル・タン氏は「インドネシア市場はボラティリティーの高まりにもかかわらず、株式と債券の回復が継続すると考えている」と述べた。