ラセンウジバエのヒトへの寄生、米で初確認 情報開示の遅れに批判

家畜の傷口などに寄生する害虫ラセンウジバエのヒトへの寄生が米国で初めて確認された。資料写真、ラセンウジバエの幼虫、パナマ、6月撮影(2025年 ロイター/Enea Lebrun)
Tom Polansek Leah Douglas
[シカゴ/ワシントン 25日 ロイター] - 家畜の傷口などに寄生する害虫ラセンウジバエのヒトへの寄生が米国で初めて確認された。米疾病対策センター(CDC)の発表が、症例確認から約3週間後となったことに批判が出ている。
CDCは、エルサルバドルへの旅行から帰国した米国人がラセンウジバエに寄生されていることを8月4日に確認していた。しかし24日、メリーランド州在住でグアテマラから米国へ渡航した人がラセンウジバエに感染したことが確認されたとする牛肉業界団体関係者の情報が報じられた後だった。
メリーランド州保健局は25日、患者が回復し、他の人や動物への感染の徴候はないと発表した。患者は同州の住民であるとしたが、この人が訪れた国や感染の発生時期についての質問に回答しなかった。
業界関係者は、感染確認から公表までの約3週間のずれは、当局への信頼を損ない、今後の対応に影響するとし、情報開示の遅れを批判した。
メリーランド州保健局は、連邦政府の厚生省広報担当者は、人への感染の発生源の食い違いについて言及しなかった。
ラセンウジバエは中米からメキシコ北部にまん延し、米農務省は7月にメキシコからの牛の生体輸入を一時停止した。
米での症例確認を受け、米肥育牛先物価格は急落した。ラセンウジバエは米最大の牛肉生産州である南部テキサス州の経済に約18億ドルの損失をもたらす可能性があるとの推計もある。