ニュース速報
ワールド

インドネシア第2四半期GDP、予想外の上振れにシンクタンクが異議

2025年08月07日(木)13時39分

インドネシアの複数の経済シンクタンクは6日、政府が5日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)のデータについてより詳細に説明するよう求めた。写真はジャカルタの街。2021年8月に撮影(2025年 ロイター/Ajeng Dinar Ulfiana)

[ジャカルタ 6日 ロイター] - インドネシアの複数の経済シンクタンクは6日、政府が5日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)のデータについてより詳細に説明するよう求めた。成長率が2年ぶりに大きくなったという公式発表に異議を唱えている。

インドネシア統計局が発表したデータによると、インドネシア経済は4月から6月に前年同期比で5.12%成長。伸び率は堅調な投資と家計消費が押し上げて2023年第2・四半期以来の高さになった。

成長率はロイターが調査したアナリスト26人の予想中央値(4.8%)を上回っており、最も楽観的な予測の4.9%さえも超えていた。第1・四半期の成長率は4.87%だった。

しかしながら、ジャカルタに拠点を置く一部の独立系研究機関の経済学者たちは自動車販売の減少、外国直接投資と製造業活動の縮小、レイオフ報告のような要因から、第2・四半期の経済活動は加速したのでなく減速したと主張した。

インドネシア統計局のアマリア・アディニングガル・ウィディヤサンティ局長はGDPデータの信頼性を巡る懸念について記者から質問を受けた際、国際基準に則って業務を遂行していると答えた。

大統領府はロイターのコメント要請に応じなかった。ハルタルト調整相(経済)は5日夜、データを操作した可能性について懸念があると質問されて「そんなことはない」ときっぱり否定した。

<正確なデータの重要性>

開発経済財政研究所のエコノミストであるアンドリー・サトリオ・ヌグロホ氏はロイターに「政府は正確なデータがなければ適正な政策を打ち出せないし、もしも操作の兆候が存在するならばさらに深刻だ」と語った上で「政府のデータが経済状況を反映していないのならば投資家の信頼が低下する可能性があるだろう」と警告した。

経済・法律研究センターの事務局長ビマ・ユディスティラ氏は、政府が経済成長率を29年までにプラボウォ大統領の目標の8%に引き上げるため、データを政治的に利用していると主張した。

経済改革センターの事務局長モハマド・ファイサル氏は、GDPのデータはこれまで自らの調査結果と一致していたが、第2・四半期の数値はとりわけ家計消費と投資に関する主要指標から大きく離れているとの分析結果を示した。

インドネシア大学の経済・社会研究所のジャヘン・レズキ氏は、第2・四半期の企業収益報告の売上高もまた減少しておりGDP報告と対照的だと指摘する。

有力な企業団体のインドネシア経営者協会の公共政策部門責任者であるストゥリスノ・イワントノ氏はロイターに「データが間違っているとは言っていない」と断りつつも「技術的な計算や方法論に誤りがないよう願っている」とくぎを刺した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、イースター停戦巡り米と協議 NATO事

ビジネス

米国株式市場=続伸、イラン戦争終結への期待感で テ

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、中東停戦期待で「有事のドル

ワールド

トランプ氏、イラン作戦の早期終結示唆 NATO脱退
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経済政策と石油危機が奏でる「最悪なハーモニー」
  • 3
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 6
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 7
    カンヌ映画祭最高賞『シンプル・アクシデント』独占…
  • 8
    「え、なんで?」フライト中に操縦席の窓が覆われて…
  • 9
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 10
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中