インド経済に底堅さ、世界的な不確実性に対処=中銀月報

インド準備銀行(中央銀行)は23日に発表した月報「経済の現状」で、国内経済は地政学的緊張と貿易面の不確実性の影響に対処しながら、世界的な変動に持ちこたえ続けていると述べた。写真はニューデリーの市場の通り。2月13日に撮影(2025年 ロイター/Priyanshu Singh)
[ムンバイ 23日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は23日に発表した月報「経済の現状」で、国内経済は地政学的緊張と貿易面の不確実性の影響に対処しながら、世界的な変動に持ちこたえ続けていると述べた。
中銀は先月、主要金利を50ベーシスポイント(bp)、預金準備率(CRR)を100bp、それぞれ大幅に引き下げた。不安定な世界情勢の中でもインフレが落ち着き、経済成長支援に注力する余地が生じたことが背景。
月報は、インド経済は夏まき作物の見通し改善、サービス部門の力強さ、工業活動の緩やかな成長に支えられて引き続き底堅いとし、「高頻度指標は総需要の安定を示唆している」と分析した。
政府が発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.10%の上昇にとどまり、6年超ぶりの低い伸びとなった。
月報は「中東における地政学的緊張の緩和と貿易協定への楽観的な見方」に加え、インフラ融資に関する規制基準の一部緩和が6月後半の金融市場心理を押し上げたと指摘。
ただ7月前半は、米国との貿易協定締結の可能性を巡る不確実性や、4─6月期の企業収益がまちまちだったことから、国内投資家の心理は依然慎重だったという。