豪首相、過剰な鉄鋼生産能力巡り中国と協力表明

中国を訪問しているオーストラリアのアルバニージー首相(写真)は14日、上海で開催された両国のビジネスリーダーの会議で、世界の鉄鋼生産能力過剰に対処するため中国と協力すると表明した。写真は豪メルボルンで昨年3月代表撮影(2025年 ロイター)
[上海 14日 ロイター] - 中国を訪問しているオーストラリアのアルバニージー首相は14日、上海で開催された両国のビジネスリーダーの会議で、世界の鉄鋼生産能力過剰に対処するため中国と協力すると表明した。
会議の冒頭、「両国は脱炭素化の推進に向け協力する中、世界の鉄鋼生産能力過剰に対処するためにも協力する必要がある」と指摘。「持続可能で市場主導型のグローバルな鉄鋼セクターを確保することは両国にとって利益となる」と述べた。
中国の堅調な鉄鋼輸出は国内需要の低迷を部分的に相殺しているが、多くの国は安価な中国製鉄鋼の流入が国内メーカーに打撃を与えていると不満の声を上げている。
アルバニージー氏は、製造時に再生可能エネルギーを使用し二酸化炭素(CO2)の排出量を減らした「グリーンスチール」においても両国が緊密に協力すべきだと指摘した。「パリ協定の目標を達成するには鉄鋼バリューチェーンの脱炭素化が必要であり、オーストラリアと中国にとって長期的な経済利益を前進させる機会となる」と述べた。上海では、豪鉄鉱石会社と中国の鉄鋼メーカーの会合が開催される。会合に出席するリオ・ティント、BHP、フォーテスキューはいずれもグリーンスチール・プロジェクトを進めている。
アルバニージー氏は現在、中国3都市を公式訪問中で、地域の安全保障を巡る緊張や経済関係強化に向けた取り組みが会談の焦点になる見通しだ。
アルバニージー氏は次に北京を訪れ、李強首相との年次首脳対話や企業懇談会に出席した後、南西部の都市、成都に向かう予定。