米FAA、燃料スイッチロックの安全性通知 印機墜落報告で指摘

米連邦航空局(FAA)と米航空機大手ボーイングは、インドの墜落事故に関する予備調査報告発表後、ボーイング機の燃料スイッチのロックは安全とする通知を出した。写真は事故現場に立つ警察官。7月12日、アーメダバードで撮影(2025年 ロイター/Adnan Abidi)
David Shepardson Abhijith Ganapavaram Allison Lampert
[ワシントン/ニューデリー/モントリオール 13日 ロイター] - 米連邦航空局(FAA)と米航空機大手ボーイングは、インドの墜落事故に関する予備調査報告発表後、ボーイング機の燃料スイッチのロックは安全とする通知を出した。ロイターが確認した文書と事情に詳しい関係者4人の話で明らかになった。
先月、エアインディアのボーイング787-8型機が墜落し、260人が死亡した事故に関する11日公表の初期報告書ではエンジン燃料制御スイッチを巡る疑問が提起された。
FAAは同日付の継続的耐空性通知で、「ボーイングの各種機体で、ロック機能を含む燃料制御スイッチの設計が類似しているが、FAAはこれが安全上の問題に該当し、787型機を含むボーイングの全ての機種を対象に耐空性安全改善命令(不具合を認め検査を呼びかける)を出す理由になると考えていない」とした。
関係者2人によると、ボーイングは航空各社への通知で、同社がいかなる措置も推奨していないとするFAAの通知に言及した。
インド航空事故調査局(AAIB)が発表した初期報告書は、787型機を含むボーイングの複数の機種の運航事業者に対し燃料制御スイッチのロック機能の点検を推奨したが義務付けをしなかったFAAの2018年の勧告に言及した。
報告書によると、エア・インディアはこのFAAの勧告は義務ではなかったため、検査を行わなかった。また「機体およびエンジンにおいて適用される全ての耐空性改善命令および安全警報が順守されていた」とされた。
国際航空パイロット協会(ALPA)のインド支部は12日付の声明で「パイロットの過失を前提とする主張を拒否し、事実に基づく公正な調査」を求めた。ALPAインド支部のサム・トーマス会長は13日ロイターに対し、ALPAが少なくともオブザーバーとして調査に参加すべきだ」と語った。