太陽光がEU域内発電量で初の首位 原発や風力抜く

エネルギー関連シンクタンクの英エンバーは10日、欧州連合(EU)域内で今年6月、太陽光発電が初めて発電量で原発や風力を上回り、首位に立ったと発表した。写真は2023年6月、オランダで撮影したソーラーパネル(2025年 ロイター/Piroschka van de Wouw)
[10日 ロイター] - エネルギー関連シンクタンクの英エンバーは10日、欧州連合(EU)域内で今年6月、太陽光発電が初めて発電量で原発や風力を上回り、首位に立ったと発表した。石炭による発電量は過去最低となった。
エンバーの報告書によると、6月の太陽光発電量は日照量が過去最高だったことと太陽光発電機の設置増により、45.4テラワット時だった。総発電量に占める割合は22.1%で、前年6月の18.9%を上回った。原発は21.8%、風力は15.8%だった。
ドイツやスペイン、オランダを含む少なくとも13カ国で、太陽光発電量が過去最高だったという。
エンバーのシニアアナリスト、クリス・ロスロー氏は「今回の結果はEUの電力系統がいかに速く変化しているかを示している」と指摘。「太陽光発電は、夏の熱波や需要ピーク時など最も必要とされる時にその力を発揮する」と強調した。
石炭による発電量の割合は6.1%と、過去最低。前年同期は8.8%だった。
風力発電量も5、6月と2月連続で過去最高を記録した。ただ、1─6月期全体で見れば、ガスを含む化石燃料による発電量は前年同期比13%増加している。
エンバーは、日照のない時間帯の化石燃料使用を減らすため、バッテリー貯蔵システムとグリッド(送電網)の柔軟性の拡充が今後の課題だと指摘した。