トランプ氏、銅に関税50%表明 医薬品は200%も

7月8日、トランプ米大統領(写真)は輸入する銅に50%の関税を課すと述べた。写真は6月、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Ken Cedeno)
[ワシントン/東京 8日 ロイター] - トランプ米大統領は8日、輸入する銅に50%の関税を課すと述べた。電気自動車(EV)や軍事装備、電力網、多くの消費財にとって重要な金属の国内生産の増強が目的とみられるが、発効の時期については明確にしなかった。
半導体や医薬品などに対する関税を近く発表する考えも示し、医薬品の関税率は200%に達する可能性があるとした。ただ、製薬会社が対処できるように「1年から1年半程度の猶予を与え、その後に関税を課す」と述べた。
さらに、新興国グループ「BRICS」諸国に対する関税も改めて警告。「BRICSに加盟している国はかなり近いうちに10%の関税を課される」と語った。
一方、欧州連合(EU)および中国との貿易協議は順調に進んでいると述べた。ただ、EUには数日内にも関税を通知する書簡を送る見通しとした。
トランプ氏の発言は世界経済を一段と不安定化させる可能性がある。COMEX銅先物は8日の取引で10%超急伸。米株式市場のS&P総合500種は小幅安で取引を終えた。
同氏は「米国から搾取し、われわれの愚かさを陰で嘲笑してきた国から金銭を徴収し始める時が来た」と述べた。
EUについては、おそらく2日以内にも関税率を通知する見通しとした。同時にEUが最近の貿易交渉で米国を非常に好意的に扱っているとも述べた。
関係筋によると、EUは航空機、医療機器、酒類など主要輸出産業について譲歩することで8月1日までの合意を目指している。米国に大規模な生産拠点を持つ欧州自動車メーカーを保護するための措置も検討しているという。
一方、ドイツのクリングバイル財務相は「米国と公正な貿易協定で合意に至らなければ、EUは対抗措置を取る用意がある」と議会で述べた。
トランプ氏は中国について「このところ関係は非常に良好だ」とし、「彼らは貿易協定において非常に公平に対応している」と指摘。習近平国家主席と頻繁に話し合っていると述べた。