米減税法案、北極海の砕氷船に86億ドル割り当て

7月3日、トランプ米大統領の減税・歳出法案は、北極海における米沿岸警備隊の砕氷船増強に86億ドル超を割り当てている。写真は米沿岸警備隊の砕氷船。提供写真(2025年 ロイター/U.S. Coast Guard)
[ロサンゼルス 3日 ロイター] - トランプ米大統領の減税・歳出法案は、北極海における米沿岸警備隊の砕氷船増強に86億ドル超を割り当てている。ロシアと中国の勢力拡大に対抗する狙いだ。
内訳は、最大3隻の重砕氷船「PSC」に43億ドル、中型の砕氷船「ASC」に35億ドル、追加の軽・中型砕氷船に8億1600万ドル。
沿岸警備隊は、北極海での運用が可能な砕氷船を8、9隻に増やすことを目指してきた。現在は3隻のみ。
トランプ氏は中国の造船、海軍力の強化に対抗するため、米国の造船業の復活を推進している。気候変動により北極圏の氷床が縮小する中、北極海は太平洋と大西洋を結ぶ貿易ルートとして注目が高まっている。
中国とロシアは北極海航路の開発と防衛強化で協力している。一方、米国、カナダ、フィンランドは昨年「ICE協定」を発表し、今後10年間で70―90隻の砕氷船を建造する方針を示した。
トランプ氏は、北極圏の安全保障を強化するため、米国が最大40隻の新たな砕氷船を獲得すべきだと繰り返し主張してきた。