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大阪・関西万博で、国税庁が日本産酒類及びユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」等に関する情報を発信。試飲イベントも大盛況

2025年7月4日(金)15時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
「日本産酒類の情報発信」ブース

酒蔵をイメージした国税庁の展示ブース。壁には「伝統的酒造り」を紹介するパネルや酒造りに使われる道具が展示された。

<国税庁は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で、農林水産省・文化庁と協力して「食と暮らしの未来ウィーク」期間中に展示ブースを出展。日本産酒類及びユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」等について、国内外の多くの来訪者にPRを行った>

「酒」の漢字をモチーフにした展示ブースのサイン

「酒」の漢字をモチーフにした展示ブースのサイン。日本酒などの日本産酒類の魅力を大々的に打ち出した。

EXPOメッセ「WASSE」を中心に開催された展示企画「RELAY THE FOOD ~未来につなぐ食と風土~」の中で、6月8日(日)から15日(日)までの8日間にわたって酒蔵を模したブースが出現。同ブースでは、2024年12月にユネスコ無形文化遺産に登録された「伝統的酒造り」等への理解を深めてもらうため、紹介パネルや酒造りの道具を展示。

「RELAY THE FOOD ~未来につなぐ食と風土~」のオープニングセレモニー

「RELAY THE FOOD ~未来につなぐ食と風土~」のオープニングセレモニー。農林水産大臣政務官の山本佐知子氏(左から3人目)、国税庁長官官房審議官の斎須朋之氏(左から2人目)らが出席。

伝統的酒造りとは、杜氏(とうじ)や蔵人(くらびと)等が、こうじ菌を用い、日本各地の気候風土に合わせて、長年の経験に基づき築き上げてきた酒造り技術であり、500年以上も前に原型が確立したといわれている。展示では、祭事や婚礼など日本の社会的・文化的行事においても酒が不可欠な役割を果たしてきたことにも触れ、改めて「伝統的酒造り」の魅力をアピールした。

パネルなどの展示物で日本産酒類のほか、「伝統的酒造り」や地理的表示(GI)を紹介


日本産酒類を試飲しながら、説明員の話に耳を傾ける参加者

日本産酒類を試飲しながら、説明員の話に耳を傾ける参加者

日本の社会的・文化的行事の中で、酒が不可欠な役割を果してきたこともユネスコ無形文化遺産に登録された背景のひとつ

日本の社会的・文化的行事の中で、酒が不可欠な役割を果してきたこともユネスコ無形文化遺産に登録された背景のひとつ。

併せて、「伝統的酒造り」の保護継承の取組や、食料安全保障・環境の持続可能性をはじめとしたSDGsの目標への貢献に関する「伝統的酒造り」の取組についても紹介した。

「和食がユネスコ無形文化遺産になったのは知っていたが、『伝統的酒造り』も登録されたことは知らなかった」と話す来訪者がいた一方で、「ユネスコ無形文化遺産は日本人として誇らしい」という声も。また説明員による酒造りの道具の説明を聞くことで、古くから受け継がれてきた酒造りへの理解が深まった様子が見られた。

日本酒造りの工程を解説する動画

展示ブース内では精米やこうじ造り、もろみ造りなど、日本酒造りの工程を解説する動画も映し出された。

地理的表示(GI)に関するパネル展示も来場者の興味を引いた。地理的表示(GI)とは、お酒について「正しい産地」であることと、「一定の基準」を満たして生産されたことを示す制度のことである。

2025年6月末現在、日本国内では31件が酒類の地理的表示(GI)として指定されており、例えば、万博が開催されている関西地方では、灘五郷、はりま、滋賀、伊丹の清酒、大阪のワイン、和歌山の梅酒が指定されている。日本地図上に記された各地の指定状況をじっくり眺めている姿も見られ、「大阪でワインが生産されていることにびっくりした」という声も聞かれた。

地理的表示(GI)を紹介するパネル

地理的表示(GI)を紹介するパネルは多くの人の関心を集めた。

様々な日本産酒類が登場した試飲イベント

日本国内からの来場者のほか、海外からはアメリカ、イギリス、チェコ、シンガポールやオーストラリアなど、様々な国や地域からの来場者もブースに訪れた。

来場者の国籍を問わず人気を集めたのが日本産酒類の試飲イベント。

「SAKEが好きなので、万博という特別な場で試飲体験ができて嬉しい」と海外の方が体験参加を喜んだ。

香港からの来訪者は「日本酒に興味があり、香港でも飲んだことがある。説明を聞いていろいろな日本酒を飲んでみたいと思った」と話した。またパビリオン視察の合間に訪れた駐日外国公館関係者は「辛口でフレッシュなSAKEを飲んだのは初めてだったのでイメージが変わった」と、新しい体験に頬を緩ませた。

説明員が「伝統的酒造り」について英語と日本語で説明

説明員が「伝統的酒造り」について英語と日本語で説明し、来場者は興味深く話に聞き入った。

試飲には日本酒だけでなく、バラエティ豊富な日本産酒類が登場

試飲には日本酒だけでなく、バラエティ豊富な日本産酒類が登場。

2種類の日本酒と2種類の日本酒以外の日本産酒類という合計4種の飲み比べができる試飲イベントは、毎回すぐに満員になるほどの大盛況。日本酒、本格焼酎、泡盛、連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)、ワイン、ビール、ウイスキー、リキュール(梅酒)、スピリッツ(ジン)から全20銘柄の日本産酒類が提供され、期間中に約8000名の来場者が体験し、日本産酒類の魅力に酔いしれた。

4種類の日本産酒類が飲み比べできる試飲イベント

4種類の日本産酒類が飲み比べできる試飲イベント

多くの参加者から多かった感想は「お酒のプロの説明を聞いて、味の違いがよくわかるだけでなく、もっとお酒について知りたくなった」というもの。日本産酒類への理解を促進させる絶好の機会となった。

日本国内、海外からの来訪者で連日大盛況

日本国内、海外からの来訪者で連日大盛況

オリジナルポストカードの写真を撮る来場者

オリジナルポストカードの写真を撮る来場者

試飲イベントに限らず、展示パネル、解説動画や酒造りの道具を熱心に見る来場者が多かったのも特徴的だ。アンケートに回答してもらえるオリジナルポストカードの人気も高く、ポストカードを受け取った来場者は「記念に会場内の郵便局から友人に送ろうと思います」と語った。

国税庁によると、アンケートの回答結果からも、ほとんどの来訪者が「伝統的酒造り」について理解を深め、日本産酒類の飲用意向が高まったという。今後も様々な機会で情報が発信されることで、日本産酒類が広く世界に向けて普及していくことが期待される。

●国税庁・国税局による大阪・関西万博における取組の詳細
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/tv/osaka_bampaku.htm


【参考】
国税庁では、7/22~9/12の全53日間、万博会場内フェスティバルステーションにおいても、日本産酒類や「伝統的酒造り」、「酒蔵ツーリズム」に関する情報発信ブースを設置する予定。


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