ガザ停戦交渉、ハマスは戦争終結保証を要求 イスラエルも合意に前向き

パレスチナのイスラム組織ハマスが、米国による新たな停戦提案が戦争終結につながるという保証を求めていることが分かった。ガザ北部で6月撮影(2025年 ロイター/Mahmoud Issa)
[カイロ/ガザ 4日 ロイター] - パレスチナのイスラム組織ハマスが、米国による新たな停戦提案が戦争終結につながるという保証を求めていることが分かった。関係筋が明らかにした。
イスラエル当局者も、停戦および人質返還を巡り合意に達する見込みは高いと述べた。
米国がイスラエルとイランの12日間紛争の停戦を確保したことで、ガザ停戦に向けた取り組みも勢いを増している。それでも、ガザではイスラエルの攻撃が激化し、保健当局によると3日には少なくとも59人が死亡したという。
トランプ米大統領は1日、イスラエルがハマスとの60日間の停戦を確定させるために必要な条件を受け入れたと述べ、その間に双方が戦争終結に向けて取り組むことになるとした。
ハマスに近い筋によると、同組織は停戦が最終的に戦争終結につながるという明確な保証を求めている。イスラエル当局者2人は、詳細はまだ詰めている段階だと述べた。
結実しなかったこれまでの複数の交渉においても、主な争点は戦争終結だった。
ハマスは4日未明の声明で、パレスチナの他の勢力と停戦案について協議中だとし、終了した段階で仲介者に回答を提出すると述べた。
エジプトの治安筋によると、仲介に当たっているエジプトとカタールは、ハマスに2カ月間の停戦提案を受け入れさせるため、戦争終結に向けた協議継続を米国と国際社会が保証するよう要請しているという。
事情に詳しい別の関係筋は、イスラエルはハマスからの返答を4日までに求めており、返答が肯定的であれば、合意を確定させるための間接協議にイスラエル代表団が参加するだろうと語った。
関係筋によると、この提案には、イスラエルの刑務所に収容されているパレスチナ人囚人と引き換えに、生存しているイスラエル人人質10人の段階的な解放と、さらに18人の遺体の返還が含まれている。ガザに残る人質50人のうち、20人は依然として生存しているとみられる。
また提案によると、ガザ地区に直ちに援助物資が搬入され、イスラエル軍はガザ地区の一部から段階的に撤退する。恒久的な停戦に向けた交渉は直ちに開始される。
イスラエルのネタニヤフ首相に近い高官は、停戦合意を承認する準備が整っていると述べた。
ハッカビー駐イスラエル米国大使はイスラエルメディアに対し「合意成立を願うが、全てはハマスが何を受け入れる用意があるかだ」と述べ、「はっきりしているのは、(トランプ)大統領が事態の終結を望んでいるということだ。(ネタニヤフ)首相も、米国民も、イスラエル国民も終結を望んでいる」と語った。