英首相、退任観測の財務相に「全面的支持」表明 社会福祉改革巡り

　７月２日、英首相官邸は社会福祉制度改革を巡り退任観測が浮上したリーブス財務相（写真）に対する全面的な支持を表明した。ロンドンで６月撮影（２０２５年　ロイター/Jaimi Joy）

［ロンドン　２日　ロイター ］ - 英首相官邸は２日、社会福祉制度改革を巡り退任観測が浮上したリーブス財務相に対する全面的な支持を表明した。

議会下院でこの日行われたスターマー首相の答弁の際、背後にいたリーブス氏は疲れた様子で涙を拭っているように見えた。リーブス氏の報道官は個人的な問題だと説明した。

下院での様子がテレビで放送される中、英国債利回りは上昇し、ポンドは下落。アナリストはリーブス氏が交代し、政府がさらなる混乱に陥るとの懸念を反映していると指摘した。

スターマー氏の報道官は「（リーブス氏）は首相の全面的な支持を得ている」と記者団に述べた。

政府の給付金負担削減を目的とした社会福祉制度改革法案は前日、長期的な給付削減につながる措置を削除した形でようやく下院を通過した。

リーブス氏は借り入れの抑制など財政規律を重視する姿勢を繰り返し強調してきたが、福祉削減の規模に反対する与党・労働党議員と衝突した。

スターマー氏は下院で最大野党・保守党のベーデノック党首から、リーブス氏が次回選挙まで財務相を務めるか問われたのに対し、ベーデノック氏こそ選挙まで党首を続けられないだろうと応じたが、リーブス氏への支持は明確に表明しなかった。

スターマー氏の報道官はその後、首相はリーブス氏に対する信頼を何度も表明しており、野党が進退に言及するたびに繰り返す必要はないと強調。リーブス氏が辞任を申し出たかとの問いには「ノー」と答えた。