ロシア、ドネツク侵攻拡大 米支援削減でウクライナ防衛線に暗雲

ウクライナ軍当局者は2日、ロシアがウクライナ東部ドネツク州にある補給路の要衝ポクロフスクとコスティアンティニフカ付近に侵攻したと明らかにした。写真は同州で4月撮影(2025年 ロイター/Anatolii Stepanov)
Anastasiia Malenko Aleksandar Vasovic
[キーウ 2日 ロイター] - ウクライナ軍当局者は2日、ロシアがウクライナ東部ドネツク州にある補給路の要衝ポクロフスクとコスティアンティニフカ付近に侵攻したと明らかにした。ウクライナに対する米国の支援を巡り不透明感が広がる中、ロシアは夏季攻勢で防衛線突破を狙う。
ロシアの前線での進軍と並行して、キーウやその他の都市に対するドローン(無人機)やミサイル攻撃も激化しており、ウクライナに対する米国の支援が弱まりつつある兆候を示唆した。
英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の上級研究員ジャック・ワトリング氏は、米国による武器供与一部停止の決定は、ウクライナ軍の地上戦の戦況を悪化させることになると指摘。「これら兵器供与の停止により、前線から30キロ以上離れたロシア軍を攻撃するウクライナ軍の能力は著しく低下するほか、ロシアの補給路改善を可能にするだろう」と述べた。
ウクライナ軍ホルツィツャ部隊のヴィクトル・トレフボフ報道官は、現在、ロシア軍は小規模な突撃部隊や軽車両、ドローンを用いてウクライナへの侵攻を進めていると言及。「いかなる犠牲を払ってでもドニプロペトロウスク州の境界を突破することを意図した絶え間ない攻撃が続いている」とロイターへの書面コメントで述べた。
米国防総省は国内の武器在庫が過度に減少しているとの懸念から、ウクライナへの防空ミサイルや他の精密弾の供与を一部停止したと、関係者2人が1日明らかにした。