ガザ全域で58人死亡、イスラエル軍が大規模攻撃 北部でハマス掃討継続

イスラエル軍が避難命令を出していたパレスチナ自治区ガザ北部では夜間に大規模な爆撃があった。イスラエルに29日空爆された避難場所、30日撮影(2025年 ロイター/Mahmoud Issa)
[カイロ/エルサレム 30日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザ全域で30日、イスラエル軍による大規模な攻撃があり、地元当局によると少なくとも58人が死亡した。イスラエル当局者がトランプ米政権とガザ地区での停戦推進を交渉するため近くワシントンを訪問する予定の中、イスラエル軍はなお激しい攻撃を続けている。
保健当局によると、住民の避難場所となっていたガザ市のザイトゥーン地区で10人、ガザ市南西部で少なくとも13人が死亡した。13人の多くが銃撃によるものだが、住民からは空爆もあったとの報告もある。このほか医療関係者によると、ガザ市の海岸沿いの飲食店がイスラエル軍の空爆を受け、女性や子ども、地元記者を含む20人が死亡した。
住民によると、イスラエル軍の戦車がザイトゥーン郊外の東部地域に押し寄せ、北部のいくつかの地域を砲撃する一方、避難していた多数の人々に退去を命じた後、航空機が少なくとも学校4カ所を爆撃した。5人の子どもを持つガザ市在住の男性サラーさん(60)は「学校も家も爆撃された。まるで地震のようだった。ニュースでは停戦が近いと聞くが、地上では死を目にし、爆発音が聞こえる」と語った。
イスラエル軍は、民間人へのリスク軽減の措置を講じた上で、ガザ北部の武装勢力を攻撃したと発表した。ガザ地区南西部と海岸沿いの飲食店で報告された犠牲者については、今のところコメントしていない。
イスラエル軍は今回の攻撃に先立ち、ガザ市中心部を含むガザ地区北部で活動するイスラム組織ハマスに対する攻撃を行うとし、住民にガザ地区南部に避難するよう命令していた。