EU、米と「迅速でシンプルな」貿易協定締結を 期限控え独首相

ドイツのメルツ首相は6月26日、欧州連合(EU)は米国と「遅く複雑な」貿易協定ではなく「迅速でシンプルな」貿易協定を結ぶべきとの考えを示した。同日、ブリュッセルで撮影(2025年 ロイター/Christian Hartmann)
[ブリュッセル 26日 ロイター] - ドイツのメルツ首相は26日、欧州連合(EU)は米国と「遅く複雑な」貿易協定ではなく「迅速でシンプルな」貿易協定を結ぶべきとの考えを示した。
ブリュッセルで開かれたEU首脳会議の終了に際し、記者団に「(関税猶予期間が終了する)7月9日まで2週間を切っており、その間に高度な貿易協定で合意することはできない」と語った。
化学、医薬品、機械工学、鉄鋼、アルミニウム、自動車などドイツの産業は既に高関税の負担を強いられ、事業が危機にさらされていると述べた。
また、フォンデアライエン欧州委員長が徐々に世界貿易機関(WTO)に取って代わる新たな貿易機関の構築を提案したと明らかにした。構想は初期段階だが、WTOが本来行うべき紛争解決の仕組みを設ける可能性があるという。
メルツ氏はさらに、南米の関税同盟メルコスル(南部共同市場)との貿易協定について、早期に最終承認したいという立場で各国が「基本的に一致」していると指摘。フランスの反対についてマクロン仏大統領と首脳会議中に意見を交わしたとし、承認への用意が整っているとの見方を示した。
一方、マクロン氏は現状のままでは協定を受け入れることはできないと記者団に述べた。