トルコ、NATOの5%防衛費目標支持へ 防空網拡充にも意欲

トルコ国防省の関係者は26日、 トルコが北大西洋条約機構(NATO)による防衛費目標を2035年までに国内総生産(GDP)比5%とする決定を支持する方針を明らかにした。写真は25日撮影のエルドアン大統領(2025年 ロイター/Piroschka Van De Wouw)
[アンカラ 26日 ロイター] - トルコ国防省の関係者は26日、 トルコが北大西洋条約機構(NATO)による防衛費目標を2035年までに国内総生産(GDP)比5%とする決定を支持する方針を明らかにした。トルコはすでに従来目標2%を上回っているとも述べた。
NATO加盟国は25日、オランダ・ハーグで開いたNATO首脳会議で、今後10年間で防衛支出目標を大幅に引き上げることで合意した。中核的な防衛費をGDP比3.5%とし、幅広い安全保障関連への1.5%の支出と合わせ、計5%とした。
関係者は、トルコはNATO任務への貢献度で上位5位となっていると言及。トルコはNATOの能力目標をすべて満たし、防衛産業への投資を継続していると述べた。その上で、防空ネットワークを拡張する国家プロジェクト「スチールドーム」への投資を優先するとも言及した。
トルコのエルドアン大統領はNATO首脳会議からの帰途の機中で記者団に、トルコは防空システムを多層的に確立する必要があると述べた。エルドアン氏は、さまざまな高度に対応して配備したミサイルが連携して機能することが非常に重要だとし、20年にロシアから取得したミサイル防衛システムでは不十分だと説明した。
トルコは長距離ミサイルを含む防衛能力の強化に取り組んでいると表明している。一方、イスラエルが構築している「アイアン・ドーム」のトルコ版に当たる「スチールドーム」について、専門家からは計画の実現が何年も先になるとの指摘がある。