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欧州での貯蓄投資同盟設立は喫緊の課題=ナーゲル独連銀総裁

2025年06月20日(金)11時01分

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーでドイツ連邦銀行(中央銀行)のナーゲル総裁は19日、ミラノでの学生向け会議で登壇し、欧州連合(EU)域内の家計貯蓄を域内投資へと振り向けさせる必要性を強調し、実現のため一体的な枠組み作りが喫緊の課題になっていると述べた。写真は3月10日、ドイツのベルリンで撮影(2025年 ロイター/Liesa Johannssen)

[ミラノ 19日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーでドイツ連邦銀行(中央銀行)のナーゲル総裁は19日、ミラノでの学生向け会議で登壇し、欧州連合(EU)域内の家計貯蓄を域内投資へと振り向けさせる必要性を強調し、実現のため一体的な枠組み作りが喫緊の課題になっていると述べた。

ナーゲル総裁はEUが他の経済圏と激しい競争に直面していると指摘。さらに域内貯蓄の大半が緊張関係にある米国向け投資に振り向けられていると述べ、EUには時間的余裕はないと話した。

その上で「私は最初の一歩として、『貯蓄投資同盟(SIU)』の設立が極めて重要で、EU域内で(家計貯蓄が投資に回るために)今以上にするべきことがあると思う」と強調した。

欧州資本市場は総じて加盟27カ国ごとにばらばらの状況にある。このため政策担当者らは従来よりも深く統合された市場への移行を目指している。

政策構想の一環が貯蓄投資同盟の設立だ。家計貯蓄の保有者が個人投資家としての側面から、エネルギーや防衛、ハイテク分野に投資する動きを後押しするのが狙い。こうした分野で欧州は米国や中国に比べて生産性で劣る。国民生活の水準も脅かされており、対応が必要となっている。

さらにナーゲル総裁はSIU構想実現後に「(域内の)銀行同盟の実現が可能になる」と付け加え、EU加盟国間で従来よりも統一された規制基準を構築する必要があるなどと述べた。

ロイター
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