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NATOの国防費5%目標、スペインが除外要請 サミット難航も

2025年06月20日(金)09時21分

 スペインは北大西洋条約機構(NATO)に対し、加盟国の国防費を国内総生産(GDP)比5%に引き上げる計画から同国を除外するよう求めた。写真はスペインのサンチェス首相。6月16日、マドリードで撮影(2025年 ロイター/Nacho Doce)

[マドリード 19日 ロイター] - スペインは北大西洋条約機構(NATO)に対し、加盟国の国防費を国内総生産(GDP)比5%に引き上げる計画から同国を除外するよう求めた。サンチェス首相がNATOのルッテ事務総長に19日送った書簡をロイターが確認した。

NATOは来週の首脳会議(サミット)で加盟国にこの目標へのコミットを要請する見通しだが、難航する可能性がある。

サンチェス氏は書簡で、目標を任意とするか、もしくはスペインを除外する「より柔軟な方式」を求めた。来週のサミットの結果を妨げる意図はないとも強調した。

ただ、目標引き上げで合意するには加盟32カ国の全会一致の承認が必要になる。

サンチェス氏は書簡で「5%目標を確約することは不合理なだけでなく、非生産的だ」と主張。「各国政府には、そうした犠牲を払うかどうかを決める正当な権利がある。主権を有する同盟国として、われわれはそうしないことを選択する」と表明した。

NATOの推計によると、スペインの昨年の国防費はGDP比約1.28%で、加盟国の中で最低だった。サンチェス氏は4月、現在の目標である2%の達成に向けた取り組みを加速させることに同意していた。

ルッテ氏は国防費をGDP比3.5%に増額し、さらに1.5%を幅広い安全保障関連支出に充てることを提案している。

ロイター
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