台湾、太平洋での中国軍事活動を警戒 監視強化を指示

6月19日、台湾の頼清徳総統は、中国の軍事活動への対応として、防衛・安全保障部隊に監視・情報収集活動を強化するよう指示した。6月8日、高雄で撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)
[台北 19日 ロイター] - 台湾の頼清徳総統は19日、中国の軍事活動への対応として、防衛・安全保障部隊に監視・情報収集活動を強化するよう指示した。中東情勢の緊張が高まる中でも、中国の軍事活動は衰えていないとした。
台湾と日本は、太平洋で初めて同時期に活動している中国の空母2隻の動向を追跡している。
頼氏は防衛当局者と会談後に出した声明で、イスラエルとイランの紛争は「世界的な安全保障上の課題の連鎖」につながっていると指摘。「わが国およびインド太平洋地域の観点から、第1列島線、第2列島線全域における中国の軍事的圧力が中東情勢によって弱まっていないことは特に注目に値する」と述べた。
また「第1列島線と第2列島線の関連海域における山東、遼寧の両空母群による過去数日の行動はインド太平洋地域に多大なリスクをもたらし、国際社会の懸念を高めている」とした。
その上で、防衛・安保チームに地域情勢の監視を強化し、「情報収集・調査能力」を高めるよう指示したと明らかにした。
同時に、台湾は「緊急事態」に迅速に対応できるよう「友人」との緊密な連携を維持すべきだと述べた。
中国国防省はコメント要請に応じていない。