EU加盟国政府、防衛産業向け15億ユーロ投資計画で合意

欧州連合(EU)の加盟国政府はこのほど、域内防衛産業向けに15億ユーロ(17億3000万ドル)を投資する「欧州防衛産業プログラム(EDIP)」で合意した。写真は、NATOの即応部隊演習に参加する兵士。2023年1月、ドイツのマリエンベルクで撮影(2023年 ロイター/Matthias Rietschel)
[ブリュッセル 18日 ロイター] - 欧州連合(EU)の加盟国政府はこのほど、域内防衛産業向けに15億ユーロ(17億3000万ドル)を投資する「欧州防衛産業プログラム(EDIP)」で合意した。ただ、計画に盛り込まれた欧州製品の優先的な購入を義務付ける条項が厳し過ぎると、一部で不満の声も上がっている。複数の外交筋が18日明らかにした。
EDIPは2022年のロシアによるウクライナ侵攻で高まった再軍備に向けた幅広い取り組みの一環。1年ほど前に欧州委員会が提案し、各国政府が議論を重ねてきた。
協議の大半は投資対象の範囲に集中した。フランスが欧州の産業を後押しするためとして、厳格な「欧州製品優先」ルールを主張する一方、オランダなどは米英などからの武器購入を可能にする柔軟な扱いを要求。最終的に構成部品のコストの少なくとも65%をEU域内もしくは特定の関連国の由来としつつ、一部の例外を認めることで折り合った。
外交筋によるとEUの全加盟国代表が週明け23日に計画を承認する見通し。その後、欧州議会での審議を経て、発効に向けた手続きが進められる。
計画を巡ってはオランダ、エストニア、ラトビア、フィンランドなど10カ国が、欧州の防衛力の迅速な強化の必要性をもっと考慮すべきだったと主張しつつも、欧州議会での審議開始には反対しないとの立場を採った。