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イスラエルが国営テレビを攻撃、イランは米に停戦仲介要請

2025年06月17日(火)07時28分

 6月16日、イランの首都テヘランにある国営テレビがイスラエルの攻撃を受けた。写真はテヘランのシャラン精油貯蔵所から立ち上る煙。同日撮影。提供写真(2025年 ロイター/Majid Asgaripour/WANA)

[テルアビブ/ドバイ 16日 ロイター] - イランの首都テヘランにある国営テレビが16日、イスラエルの攻撃を受けた。国際原子力機関(IAEA)は、イスラエルの攻撃による影響でイラン最大のウラン濃縮施設に甚大な被害が出ていると指摘。一方、関係者によると、イランは米国にイスラエルとの停戦仲介を求めた。

イスラエルは16日夜、テヘランの放送当局を攻撃したと発表。イランのテレビでは、攻撃があった際にニュースキャスターが慌てて席を立つ映像が流れた。イラン国営通信も攻撃があったと報じた。イスラエル軍は、この建物がイラン軍の通信センターとしても使用されていたとしている。

イランは米国に停戦仲介を要請したが、同時にイスラエルに一連のミサイル攻撃を実施。イスラエルも空爆を続けた。

複数の関係者がロイターに語ったところによると、イランはオマーン、カタール、サウジアラビアに対し、トランプ米大統領がイスラエルのネタニヤフ首相への影響力を行使して即時停戦を促すよう、圧力をかけることを要請した。

イランは見返りとして、米国との核協議で柔軟性を示す用意があるという。

イランのアラグチ外相は「イスラエルは侵略を停止しなければならない。イランに対する軍事的侵略が完全に停止されない限り、われわれの対応は続くだろう。ネタニヤフのような人物を黙らせるにはワシントンからの電話一本で十分だ」とXに投稿した。

トランプ大統領が会談を望んだ場合、応じるかという記者団の質問に対し、ネタニヤフ氏は、イスラエルは核兵器と弾道ミサイルの脅威を除去することにコミットしていると語った。

IAEAのグロッシ事務局長は16日、イスラエルの軍事攻撃に伴う停電によって、イラン中部ナタンズの主要ウラン濃縮施設で稼働していた約1万5000台の遠心分離機が大きな損傷を受けた、もしくは破壊された公算が大きいという認識を示した。

フォルドゥの濃縮施設については、新たな被害は確認されていないとし、「被害があっても、極めて限定的」という見解を示した。

この4日間に及ぶ攻撃の応酬で、これまでにイランでは224人以上が死亡しており、ほとんどが民間人。イスラエルでは24人が死亡し、全員が民間人という。それぞれの当局が発表した。

ロイター
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