ウクライナ大統領、ロシアが「モルドバやルーマニアを狙っている」と警告

6月11日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、滞在先の南部オデーサ州でメッセージングアプリ「テレグラム」に「ロシアは他の無数の都市を破壊してきたように、オデーサを破壊したがっている。ロシアの軍事計画はこの地域、そしてモルドバやルーマニアとの国境を狙っている」と警告した。5月19日、キーウで撮影(2025年 ロイター/ Thomas Peter)
[オデーサ(ウクライナ)11日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、滞在先の南部オデーサ州でメッセージングアプリ「テレグラム」に「ロシアは他の無数の都市を破壊してきたように、オデーサを破壊したがっている。ロシアの軍事計画はこの地域、そしてモルドバやルーマニアとの国境を狙っている」と警告した。その上で「私たちには今、保護が必要だ。しかしそれ以上に、このようなことが二度と起こらないように長期的な保証が欠かせない」とし、ロシアのさらなる軍事的脅威を防ぐために圧力を強化するように呼びかけた。
ウクライナ・南東欧首脳会議(サミット)への出席のためにオデーサを訪れたゼレンスキー氏は、ロシアとの戦闘について「南東欧と黒海の安全保障は不可分だ。今日わが国は自国のためだけでなく、新たな地域政策の礎とするために戦うことを余儀なくされている」と言及した。
3つの港を抱えるオデーサはロシア軍の空爆の標的にされることが多く、今月9日には救急医療施設と産婦人科施設、住宅が大規模なドローン(無人機)攻撃の標的となった。
旧ソ連構成国の1つである東欧モルドバの大統領で、親欧州連合(EU)派のサンドゥ氏はサミットで、今年9月の議会総選挙を控えて「ロシアはモルドバがウクライナから離れることを望んでいる。もっと言えば、モルドバをウクライナやEUに対抗するために利用しようとしている」と訴えた。サンドゥ氏は2030年のEU加盟を目指しており、与党「行動と連帯(PAS)」が勝利すれば勢いづく可能性がある。
ウクライナもEU加盟に向けて協議を始めており、ゼレンスキー氏は「ロシアは30年間にわたり、モルドバを完全に支配するために、貧しく不安定な状態に保とうとしてきた」と批判。総選挙でPASが敗北した場合には「ロシアはあなたがたの国の問題にさらに干渉し、あなたがたの資源や主権、歴史さえも奪ってしまうだろう」と警鐘を鳴らした。