LAデモ現地対応の司令官、兵士に一時的な拘束権限あるとの見解

米西部カリフォルニア州ロサンゼルスで発生した不法移民摘発に対する抗議デモは東部ニューヨークや中西部シカゴなど他の都市にも拡大し、14日には全米の数百カ所で計画されている。写真は、ロサンゼルス地域の基地でリハーサルを行う海兵隊員。6月10日、ロサンゼルスで撮影。海兵隊提供(2025年 ロイター)
[ロサンゼルス 11日 ロイター] - 米西部カリフォルニア州ロサンゼルスで発生した不法移民摘発に対する抗議デモは東部ニューヨークや中西部シカゴなど他の都市にも拡大し、14日には全米の数百カ所で計画されている。
こうした中でトランプ氏がロサンゼルスへ派遣を命じた州兵4000人と海兵隊員700人の統合司令官を務めるスコット・シャーマン陸軍少佐は11日、兵士には現地の法律違反者に対する逮捕権は原則として認められていないが、法執行当局が職務を執行できる態勢が整うまで、一時的な拘束をする権限はあるとの見解を示した。
1878年に制定された法律により、州兵を含めた米軍人は、民間人に対する法執行に関与することは禁じられている。
今回ロサンゼルスに配置された部隊は、そうした禁止事項に抵触しない別の法律を根拠としており、兵士には法執行業務を遂行する連邦政府職員を保護することは認められる。例えば州兵は、抗議デモ参加者を直接逮捕できないものの、逮捕を行う税関・移民捜査局(ICE)の職員を護衛することが可能となる。
シャーマン氏は海兵隊員について、ロサンゼルス中心部から離れたシールビーチの基地において現在訓練中で、「間もなく」現地入りするとの見通しを示した。実弾は携行しないという。
またシャーマン氏は、兵士が同行するICE職員の捜索件数が全体でどれぐらいあるのか明らかにしなかったが、約1000人が連邦政府の建物と法執行職員保護のために動いていると説明した。