中国レアアース輸出、5月は前月比23%増 規制でも1年ぶり高水準

6月9日、中国税関総署が発表した5月のレアアース(希土類)輸出は輸出規制にもかかわらず、前月比23%増の5864.60トンとなり、1年ぶりの高水準を記録した。内モンゴル・バヤンオボー鉱山で2021年7月撮影(2025年 ロイター)
[北京 9日 ロイター] - 中国税関総署が9日発表した5月のレアアース(希土類)輸出は輸出規制にもかかわらず、前月比23%増の5864.60トンとなり、1年ぶりの高水準を記録した。
中国は4月、レアアース磁石など一部の重要鉱物類の輸出停止を決定。世界各地の自動車や航空宇宙、半導体、防衛といった産業が構築しているサプライチェーン(供給網)の中枢を揺るがした。
この規制は中国が輸出する多種多様なレアアース製品全てを対象としているわけではない。9日のデータはそれらを区別していないため、規制による影響の全体像を把握するには6月20日に発表されるより詳細なデータを待つ必要がある。
先月発表されたデータによると、4月のレアアース磁石輸出は半減した。
欧州では先週、複数の自動車部品工場が生産停止を余儀なくされ、半導体企業も今後数週間で同様の状況になると警告した。
1─5月ではレアアース輸出は2万4827トンと、前年同期の2万4266.5トンから小幅に増加した。