米、新たなイラン関連制裁発動 シャドーバンキング標的
[ワシントン 6日 ロイター] - 米財務省6日、国際金融システムを通じて数十億ドルの資金洗浄を行ってきた「シャドーバンキング(影の銀行)」ネットワークに関与しているとして、30以上の個人と団体を対象にイラン関連の制裁措置を発動したと発表した。
対象となったのはイラン国民とアラブ首長国連邦(UAE)および香港の一部の事業体。対象企業のうち少なくとも2社はイランの国営タンカー会社と関連しているという。
制裁措置はトランプ米政権がイランとの新たな核合意の実現に向けて取り組んでいる中で発表された。
ベセント財務長官は「イランのシャドーバンキングシステムは同国の政権にとって重要な生命線であり、イランはこのシステムを通じて石油販売収入を得て、資金を移動させ、安定を損なう活動の資金を調達している」と述べた。
米国は、このネットワークがイランの核・ミサイル開発の資金源となり、中東全域で代理武装勢力を支援していると考えている。
財務省によると、トランプ大統領が2月にイランに対する「最大限の圧力」政策を再開して以降、シャドーバンキングインフラを標的とした制裁措置は今回が初めて。
核を巡るイランと米国の協議はウラン濃縮に関する見解の相違で行き詰まっている。