ニュース速報
ワールド

ロサンゼルスに州兵、知事「派遣は違法」 移民摘発巡る抗議デモ

2025年06月09日(月)14時14分

 米カリフォルニア州ロサンゼルスで移民・税関捜査局(ICE)の移民取り締まりに対する抗議活動が2日連続で行われたことを受けて、トランプ政権が派遣した州兵が8日、現地に到着した。ロサンゼルスのコンプトンで7日撮影(2025年 ロイター/Barbara Davidson)

Jorge Garcia Arafat Barbakh

[ロサンゼルス 8日 ロイター] - 米カリフォルニア州ロサンゼルスで移民・税関捜査局(ICE)の移民取り締まりに対する抗議活動が3日目を迎えた8日、トランプ政権が派遣した州兵が現地に配備された。同州のニューサム知事は州兵の派遣は違法だとし、撤退を要求した。

共和党のトランプ政権は不法移民の取り締まりを公約に掲げているが、民主党の地盤であるロサンゼルスはヒスパニック系や外国生まれの住民が多い。

抗議活動はICEが入管法違反の疑いで少なくとも44人を逮捕したことをきっかけに6日夜に始まった。

ロサンゼルス市警は、一部の抗議者が警察に向かってコンクリートや瓶などを投げつけたとして、複数の集会を「違法集会」と宣言。7日に29人、8日に少なくとも10人逮捕しているが、さらに逮捕していると述べた。

8日夜、ダウンタウンの路上でアルファベット傘下ウェイモの自動運転車数台が放火されたことがビデオ映像で確認された。

映像ではデモ参加者が警察に向かって「恥を知れ」と叫び、物を投げつけているとみられる様子も映っている。一部はロサンゼルス中心部の主要道路を封鎖した。

<危機をでっち上げ>

トランプ米大統領は自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「こうした急進左派の抗議活動は扇動者や金で雇われることの多いトラブルメーカーが行うもので、決して容認されない」と投稿した。

これに対し、ニューサム知事は、トランプ大統領が危機をでっち上げ、カリフォルニア州の主権を侵害しようとしたと非難。「これは大統領の行為ではなく、独裁者の行為だ」とXに投稿した。

また、政権の州兵派遣について「事態を意図的にあおっている。法執行機関の不足が理由ではなく、見世物が欲しいからだ」と批判した。

ホワイトハウスは知事の発言に異議を唱え、「誰もが混乱、暴力、無法状態を目撃した」と声明で述べた。

<デモ隊に催涙ガス>

これより前の映像では十数人の州兵が国土安全保障省職員とともに、ロサンゼルス中心部の連邦政府施設の外に集結したデモ参加者らを押し戻す様子が確認された。

米北方軍司令部は州兵300人がロサンゼルスの3つの地域に配備されたと発表した。

デモ隊と警察が7日に対峙したロサンゼルス南東部パラマウントでも州兵の姿が目撃されている。

映像によると、「約1000人の暴徒」が6日に抗議活動を行ったと国土安全保障省が主張する連邦施設には、少なくとも6台の軍用車両と暴動鎮圧用の盾が用意されている。ロイターは同省の主張を確認できていない。

現地のロイター記者によると、ロサンゼルスのパラマウントとダウンタウンでは、デモ隊の排除に催涙ガスが使われた。 パラマウントでは数百人、ダウンタウンには約100人のデモ隊が集まった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル横ばい、米労働関連指標を見極め

ビジネス

米11月求人件数、14カ月ぶり低水準 労働需要の減

ビジネス

米国株式市場=S&P500反落、金融株に売り AI

ワールド

トランプ氏の一般教書演説、2月24日の見通し 下院
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 5
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 6
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 7
    日本も他人事じゃない? デジタル先進国デンマークが…
  • 8
    公開されたエプスタイン疑惑の写真に「元大統領」が…
  • 9
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 10
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 10
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中