ウクライナ副首相と大統領府長官が訪米、支援を要請

6月3日、ウクライナのスビリデンコ副首相とイェルマーク大統領府長官が3日に訪問先の米首都ワシントンでウィットコフ特使(中東担当)と会談し、侵攻したロシアとの戦闘でウクライナを支援するように求めた。写真はロシアの攻撃を受け損壊した家屋。ウクライナ南部ザポリージャで1日撮影(2025年 ロイター/Thomas Peter)
[キーウ 3日 ロイター] - ウクライナのスビリデンコ副首相とイェルマーク大統領府長官が3日に訪問先の米首都ワシントンでウィットコフ特使(中東担当)と会談し、侵攻したロシアとの戦闘でウクライナを支援するように求めた。イェルマーク氏は会談後、通信アプリ「テレグラム」への投稿で、ウクライナでの「戦場の実情」を説明するとともに、「状況を直接見てもらうために」ウクライナ訪問を要請したと明らかにした。
また、ケロッグ特使(ロシア・ウクライナ担当)とも会談した。投稿では、ロシアについて「時間稼ぎをし、会談を操作し、米国からの制裁回避を狙っており、停戦を望んでいない」と非難。その上で「私たちは停戦を必要としており、3月以来この件に関する米国の提案を全面的に支持してきた。ロシアが避け続けている首脳会談の用意もできている」と説明した。
米政府関係者によると、イェルマーク氏は4日にルビオ米国務長官とも会談する予定だ。イェルマーク氏は、ウクライナの新しい鉱物プロジェクトに米国が優先的にアクセスできるようにし、復興に利用する投資基金を設立する取り決めについても協議するとしている。
トルコのイスタンブールで2日に開催されたロシアとウクライナの停戦に向けた代表団による協議は、双方からの提案と大規模な捕虜交換の合意以外にはほとんど前進がなかった。シビハ外相はソーシャルメディア(SNS)への投稿で、ウクライナの提案にコメントを求めたものの無視されたとして「私たちはロシアに返答を求める。ロシアが沈黙する日々は、戦争を続けたいというロシアの意向を証明している」と書き込んだ。
これに対し、ロシアのペスコフ報道官は「(和平の)解決に向けたテーマは非常に複雑で、多くのニュアンスで構成されている」とした上で、「ここですぐに解決策や突破口を期待するのは間違っている」と訴えた。
ロシアとウクライナの交渉の次の段階は明確になっていないが、ロシアは4日未明にイスタンブールを引き続き協議の舞台にすると発表した。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナ北東部の都市スムイでロシア軍の砲撃によって4人が死亡したと発表した。