金融政策の先行き見通せず、経済予測不安定=フィラデルフィア連銀総裁

米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は5日、経済見通しは現時点ではあまりにも不安定で、今後の金融政策について言及することはできないと述べた。2023年8月撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir)
[5日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は5日、経済見通しは現時点ではあまりにも不安定で、今後の金融政策について言及することはできないと述べた。
ハーカー総裁はフィラデルフィア地区連銀で行った講演で「米経済は依然として底堅い」とし、「(経済)基盤に危険な亀裂は見当たらない。ただ、この基盤にはストレス要因が存在している」と述べた。
その上で、米政権が打ち出す政策が大きく変化していることで、次に何が起こるのか予測することが極めて難しくなっているとし、不確実性が高まる中、金融政策の変更を決定する前に経済の動向を見守る必要があると述べた。
同時に、インフレ圧力の低下が緩慢なことを踏まえると、関税措置を巡る摩擦がなかったとしても、金融政策を据え置き、慎重なアプローチを取る十分な根拠になるとの考えも示した。
このほか、FRBの独立性を守ることの重要性を指摘。「金融政策に関する決定が外部の影響を受けないことが極めて重要になる」と語った。
ハーカー氏は2015年にフィラデルフィア地区連銀総裁に就任。今月末に退任する。今回の講演は総裁として最後のものとなる。