ニュース速報
ワールド

中期的な物価安定が重要とスイス中銀理事、CPI下落受け

2025年06月04日(水)09時52分

 6月3日、スイス国立銀行(中央銀行)のチュディン理事は、同国のインフレ率が4年超ぶりにマイナスとなったことを受け、中銀は向こう1カ月ではなく中期的な物価安定を目指していると述べた。写真はスイス中銀の外観。ベルンで1月撮影(2025年 ロイター/Denis Balibouse)

[ベルン 3日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)のチュディン理事は3日、同国のインフレ率が4年超ぶりにマイナスとなったことを受け、中銀は向こう1カ月ではなく中期的な物価安定を目指していると述べた。ベルンで開かれたイベントで講演した。

スイス連邦統計局が同日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.1%下落し、中銀のインフレ目標レンジ(0─2%)を外れた。

チュディン氏はこれについて、一つのデータに過ぎないとし、「われわれが関心を持っているのは中期だ」と述べた。

次回の中銀会合での利下げは市場で確実視されているが、政策金利が現在の0.25%から0%に引き下げられる確率は69%、マイナス0.25%まで引き下げられる確率は31%と見方が分かれている。

チュディン氏は、状況は日々変化していると述べ、市場は金利低下を予想しているものの、専門家は現時点でマイナス金利を予想していないと指摘した。

トランプ米政権の関税に伴う貿易の不確実性にも言及し、スイス経済の見通しはさらに不透明になっているとした。

「貿易政策の動向に関連する不透明感は現在、非常に高い」とし、「スイス中銀は状況と動向を非常に注意深く見守っている」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル、対ユーロで下落 ECBが緩和サ

ワールド

トランプ氏、マスク氏の批判に「失望」 政府契約打ち

ビジネス

米為替報告、「操作国」認定なし 中国を厳しく警告

ワールド

ハマス指導者、ガザ停戦に向けた提案改善を要求 米案
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット騒然の「食パン座り」
  • 3
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪んだ認知
  • 4
    女性が愛馬に「後輩ペット」を紹介...亀を見た馬の「…
  • 5
    韓国新大統領にイ・ジェミョンが就任 初日の執務室で…
  • 6
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 7
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 8
    壁に「巨大な穴」が...ペットカメラが記録した「犯行…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    ウーバーは絶体絶命か...テスラの自動運転「ロボタク…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 4
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 7
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 8
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 9
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 10
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 9
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中