韓国新大統領に李氏就任、戒厳令の混乱克服や経済再生へ結集呼びかけ

6月3日投開票の韓国大統領選挙で勝利した革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表が4日、大統領に就任した。写真左は4日、ソウルの国会前で支持者にあいさつする李氏(2025年 ロイター/Kim Hong-Ji)
Joyce Lee Ju-min Park
[ソウル 4日 ロイター] - 3日投開票の韓国大統領選挙で勝利した革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表が4日、大統領に就任した。李氏は同日、尹錫悦前大統領の「非常戒厳」宣言を巡る危機の混乱から国を立て直し、成長鈍化と世界的な保護主義の脅威に揺れる経済を再生させると表明した。
選挙管理委員会によると、開票作業が全て終了し、李氏の得票率は49.42%、保守系与党「国民の力」の金文洙前雇用労働相は41.15%となった。投票率は韓国大統領選としては1997年以来の高水準を記録した。
李氏は国会の前で勝利演説を行い、大統領選は尹前大統領の戒厳令と、それを阻止できなかった「国民の力」に対する「審判の日」だったと述べた。
「最初の任務は反乱を断固として克服し、銃と剣が国民に向けられるような軍事クーデターが二度と起こらないようにすることだ」と指摘。「この一時的な難局は、素晴らしい能力を持つ国民の力を結集すれば乗り越えられる」と語った。
李氏は4日未明、選挙管理委員会によって大統領として正式に承認され、直ちに大統領権限と最高司令官権限を引き継いだ。内務省当局者によると、午前11時(日本時間同)に議会で就任式が行われる。
戒厳令を受けた混乱による分裂で深く傷ついた社会や、主要貿易相手国で安全保障上の同盟国でもある米国の予測不可能な保護主義的な動きの影響を受ける経済など、李氏には一連の経済的・社会的課題が待ち受けている。
ホワイトハウス当局者は選挙が「自由かつ公正」だったと評価し、米韓の同盟関係は依然として「鉄壁」だと述べた。
李氏は中低所得層への支援を強化するとともに、経済を再び成長軌道に乗せるため、技術革新への投資を拡大する方針を示している。
中国と北朝鮮に対してより融和的なスタンスを取るとみられている。また、尹政権時代の日本との関係を継続する意向を表明している。