ニュース速報
ワールド

英国は借り入れと債務の削減に一層取り組むべき=OECD

2025年06月03日(火)16時13分

 6月3日、経済協力開発機構(OECD)は、英国政府は借り入れと債務の削減に一層努力する必要があるとの見解を示した。写真はポンド紙幣を数える女性。2022年5月、ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニカ市で撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ロンドン 3日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は3日、英国政府は借り入れと債務の削減に一層努力する必要があるとの見解を示した。英国のリーブス財務相は近く長期歳出計画を発表する。

OECDは英国について「金融政策スタンスは徐々に緩和されているため、財政面での慎重さが求められる」と指摘。「厳しく制約された予算政策と大幅な成長下方リスクに直面する中で、バッファー再構築の取り組みを強化するとともに、生産性向上のための公共投資を維持すべきだ」とした。

リーブス氏は、2029─30年度までに税収と恒常的な歳出を均衡させ、経済に占める政府の財政債務を減らすことなどを含めた自らに課した財政ルールに全力で取り組むと述べている。

OECDは、英国経済は今年は1.3%成長するが、貿易摩擦と事業環境の不確実性の高まりにより、26年には1.0%成長に減速すると予測している。

OECDは「財政ルールを守るためには、財政状況が今後の見通しにとって大きな下振れリスクとなる」とし、「現在、財政バッファーは非常に薄く、新たなショックが発生した場合、財政ルールに違反することなく適切な支援を提供するには不十分となる可能性がある」と指摘した。

3月に発表された最新の公式予測では、リーブス氏は財政ルールを守るために100億ポンドのゆとりがあるとしていたが、これは歴史的基準からするとわずかであり、借入コストの上昇や経済成長の鈍化によって容易に失われる可能性がある。

OECDは、リーブス氏は対象を絞った歳出削減、税制上の抜け穴の解消、地方の固定資産税の引き上げ、より多くの失業給付受給者が職に就けるような給付制度の改革を行うべきだと提言した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国商務相が仏貿易相と会談 「貿易戦争解決に対話と

ワールド

サウジ、7月のアジア向け原油販売価格引き下げ 4年

ワールド

DOGE、マスク氏退任後「リーダー不在」 存続に不

ビジネス

米ダラー・ツリー、第2四半期利益が半減へ トランプ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪んだ認知
  • 4
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    女性が愛馬に「後輩ペット」を紹介...亀を見た馬の「…
  • 7
    韓国大統領選挙、イ・ジェミョンが勝利宣言「第1の使命…
  • 8
    【クイズ】金属の錆を防ぐ「クロム」の産出量が、世…
  • 9
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 10
    支持率が下がっていると言われているトランプ、アメ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 7
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 8
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 9
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 10
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 9
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 10
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中