最新記事
米ロ会談

プーチン大統領「ロシアは黙っていない」...ウクライナの大規模攻撃に「反撃」、トランプ大統領に電話で伝える

2025年6月5日(木)07時56分
トランプ米大統領とプーチン大統領

トランプ米大統領は4日、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行い、ウクライナがこのほど実施したロシアに対するドローン(無人機)攻撃などについて協議したと明らかにした。2018年7月、フィンランド・ヘルシンキで撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

ロシアのプーチン大統領は4日、トランプ米大統領と電話会談を行い、ウクライナによるロシア空軍基地への大規模なドローン(無人機)攻撃のほか、ロシア西部2州への攻撃に対しロシアは対応せざるを得ないと伝えた。

プーチン氏はこの日にモスクワで行ったロシア高官との会合で、ウクライナがロシアとの2回目の直接協議直前にロシアに対する攻撃を行ったと非難し、ウクライナは和平を望んでいないとの見解を表明。その直後にトランプ氏が、プーチン氏と電話会談を行い、ウクライナによるロシアに対する攻撃のほか、イランを巡る問題について協議したと自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。


 

トランプ氏によると、ウクライナによるロシアの駐機中の航空機への攻撃や、両国が行っているその他のさまざまな攻撃について話し合った。「プーチン大統領は、最近の飛行場への攻撃には対応しなければならないと非常に強く述べた」という。

トランプ氏は「良い会話だったが、即座に平和につながる会話ではなかった」とした。電話会談は1時間15分に及んだという。

両首脳はイランを巡る問題についても協議。プーチン大統領はイランとの新たな核合意締結に向けた協議に参加する意向を示唆したという。トランプ氏は「私はプーチン大統領に対し、イランは核兵器を保有できないと述べた。この点では合意したと信じている」と明らかにした。その上で、イランが協議に関する決定を「遅らせている」と非難した。

プーチン氏の発言が伝わる前、ロシア当局者はウクライナによる国内の奥深くへの攻撃に西側諸国が攻撃に関与していると非難した上で、対応として「軍事的選択肢が検討されている」と表明。インタファクス通信によると、リャプコフ外務次官(対米関係・軍備管理担当)は「英国と米国に対し、一段のエスカレーションを回避するよう求める」と述べた。

ウクライナが今月1日に実施した無人機によるロシア空軍基地に対する攻撃では、核弾頭も搭載できる戦略爆撃機などが破壊された。米ホワイトハウスは、この攻撃についてトランプ大統領に事前に通告はなかったとしている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版 韓国新大統領
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月10日号(6月3日発売)は「韓国新大統領」特集。出直し大統領選を制する「政策なきポピュリスト」李在明の多難な前途――執筆:木村 幹(神戸大大学院教授)

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

第1四半期のユーロ圏GDP確報値、前期比+0.6%

ワールド

世界食料価格指数、5月は0.8%低下 穀物などが下

ワールド

ウクライナ首都、ロシア空爆で3人死亡 全国で49人

ワールド

イタリア統計局、25年の成長率予想0.6%に下方修
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪んだ認知
  • 3
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット騒然の「食パン座り」
  • 4
    壁に「巨大な穴」が...ペットカメラが記録した「犯行…
  • 5
    脳内スイッチを入れる「ドーパミン習慣」とは?...「…
  • 6
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 7
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 8
    女性が愛馬に「後輩ペット」を紹介...亀を見た馬の「…
  • 9
    韓国新大統領にイ・ジェミョンが就任 初日の執務室で…
  • 10
    ウーバーは絶体絶命か...テスラの自動運転「ロボタク…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 4
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 7
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 8
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 9
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 10
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 7
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 8
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 9
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中