企業の利益、株主還元だけで終わってはいけない=石破首相

6月2日、石破茂首相は参院予算委員会で、企業が短期的利益のため行き過ぎた自社株買いを行うのは問題だとの認識を示した。都内の首相官邸で5月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Shinichi Uchida
[東京 2日 ロイター] - 石破茂首相は2日の参院予算委員会で、企業が短期的利益のため行き過ぎた自社株買いを行うのは問題だとの認識を示した。内部留保を投資や賃上げに還元する仕組みを真剣に考えるべきだとの小池晃委員(共産)に対し「ご指摘の通りだ」と述べ、「企業の利益が株主への還元だけで終わってはいけない」と主張した。
石破首相は、企業の社会的責任に言及し「従業員、家族、地域に対して還元していくことは極めて重要だ。次の時代に対する投資なくして成長はない」と指摘した。経済産業省の中でそういう議論があるのも事実だとし、「企業とは何かという点にもう一度立ち返って答えを見いだしていくことが肝要」と語った。
経産省の産業構造審議会の有識者会議は30日に公表した中間報告で、成長投資と株主還元のバランスに関し、「株主還元だけでは十分な企業価値向上を実現できるとは限らない」と指摘。持続的成長のため、超過利潤が見込める投資機会が潤沢にある場合、必ずしも株主還元を優先すべきではないなどと唱えた。