中国当局、自動車価格競争への監督強化 業界に自粛要請

中国工業情報省は5月31日、自動車業界の健全性と持続可能な発展にとって脅威だとして、業界に対して激しい価格競争に歯止めをかけるよう求めるとともに、価格競争への監督を強化する方針を示した。写真はBYDの販売店。中国・上海で2月撮影(2025年 ロイター/Aly Song)
[上海 31日 ロイター] - 中国工業情報省は5月31日、自動車業界の健全性と持続可能な発展にとって脅威だとして、業界に対して激しい価格競争に歯止めをかけるよう求めるとともに、価格競争への監督を強化する方針を示した。
中国の自動車業界では競争激化に伴い、一部大手自動車メーカー間で緊張が高まっている。価格競争は2023年初頭に始まり、政府と業界の懸念をよそにほとんど収まる気配がない。
工業情報省は、法執行機関と協力して不当競争に取り組み、必要な規制措置を講じると表明。SNSの微信(ウィーチャット)に「価格競争に勝者はなく、未来もない」と投稿し、消費者を保護し、質の高い業界発展を促す姿勢を示した。
中国自動車工業会(CAAM)も31日、価格競争は収益性と効率性に影響するとして「休戦」を呼びかけ、自動車各社に公正な競争の原則を守り、大企業が市場の独占を控えるなどの改善策を提案した。
中国の自動車業界では5月18日の週に電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)が20車種以上を対象に新たな購入インセンティブを提供。これに吉利汽車や奇瑞汽車など一部の同業他社が追随した。