イスラエル、ヨルダン川西岸に新入植承認 緊張高まる恐れ

イスラエル政府は占領下のヨルダン川西岸で新たに22カ所のユダヤ人入植地を承認した。イスラエル入植者、西岸のエリコ近くで4月撮影(2025年 ロイター/Joyce Zhou)
[29日 ロイター] - イスラエル政府は占領下のヨルダン川西岸で新たに22カ所のユダヤ人入植地を承認した。スモトリッチ財務相が29日明らかにした。
英国、フランス、カナダは今月、イスラエルが入植地拡大を続ければ制裁を科す可能性があると警告しており、今回の決定により亀裂が深まる可能性がある。
極右のスモトリッチ氏は、新たな入植地はヨルダン川西岸北部に建設されるとXに投稿したが、具体的な場所は明らかにしなかった。
イスラエルのメディアは国防省の情報として、今回承認された新たな入植地には、政府の許可なく建設された「アウトポスト」と呼ばれる非公式の既存入植地の追認や、新しい入植地の建設が含まれると報じている。
パレスチナ自治政府のアッバス議長のルデイネ報道官はイスラエルの決定について、「危険なエスカレーション」であり、イスラエル政府は地域を「暴力と不安定の連鎖」に引きずり込み続けていると非難した。
「イスラエルの過激派政府は、あらゆる手段でパレスチナ独立国家の樹立を妨害しようとしている」と述べ、トランプ米政権に介入を要請した。
ガザ地区のイスラム組織ハマスの高官サミ・アブ・ズーリ氏も「ネタニヤフ(首相)が主導するパレスチナ人に対する戦争の一環だ」と主張し、米国と欧州連合(EU)に対応を呼びかけた。