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午後3時のドルは143円後半に軟化、米関税差し止め一時停止など重し

2025年05月30日(金)15時36分

 5月30日、午後3時のドル/円は143円後半と、前日ニューヨーク市場の終盤から小幅にドル安/円高の水準で推移している。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Atsuko Aoyama

[東京 30日 ロイター] -

午後3時のドル/円は143円後半と、前日ニューヨーク市場の終盤から小幅にドル安/円高の水準で推移している。米国の関税差し止めの一時停止や軟調な経済指標が重しとなり、ドルは一時143円半ばまで売られた。

ドルは予想を下回る結果となった米経済指標などから売られた海外の流れを引き継ぎ、東京市場でも上値の重い展開が続いた。午前中は朝方の144円前半から徐々に水準を切り下げ、一時143.45円まで下落。午後にかけては、143円後半を軸に売買が交錯した。

「市場はどのみち米関税はかけられると受け止めており、前日の期待感は完全に剥落した」(国内銀行の為替セールス担当者)との声があった。米国際貿易裁判所による関税差し止め判断の前の水準を下回ってドル安/円高が進んだ背景として、経済指標の弱さのほか、関税問題を巡る米国内での意見対立が意識されることに伴う米国不信があるとの見方も聞かれた。

一方、関税絡みで現在以上の悪材料が出ることはないとの見方から、「関税を材料に新たに売り込むという雰囲気でもない」(同)という。

SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人・金融市場調査部長は、前日の米関税差し止めを受けた146円台へのドル/円上昇は「行き過ぎ」だったとし、米関税措置が覆ることはなく145円台も「かなり重い」と指摘。来週は米雇用統計などの指標発表も相次ぎ、上方向の材料は少ないとの見方を示した。

米国の関税政策を巡っては、4回目の日米関税交渉を控えるほか、欧州連合(EU)や中国との交渉も注目となってくる。日本時間きょう朝方にベセント米財務長官が、中国との貿易交渉が「やや行き詰まっている」ことを明らかにしたことも話題となっていた。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 143.81/143.85 1.1350/1.1353 163.25/163.26

午前9時現在 143.75/143.76 1.1375/1.1378 163.54/163.55

NY午後5時 144.17/144.19 1.1371/1.1373 163.87/163.91

ロイター
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