独、経済立て直しへ公共投資1100億ユーロに大幅増額=財務相

5月27日、ドイツのクリングバイル副首相兼財務相(写真)は、経済構造を刷新し成長軌道に回帰するため2025年の公共投資を1100億ユーロ(1250億ドル)に増額する方針を表明した。5月15日、ベルリンで撮影(2025年 ロイター/Lisi Niesner)
[ベルリン 27日 ロイター] - ドイツのクリングバイル副首相兼財務相は27日、経済構造を刷新し成長軌道に回帰するため2025年の公共投資を1100億ユーロ(1250億ドル)に増額する方針を表明した。前年規模は750億ユーロ(850億ドル)にとどまっていた。
クリングバイル氏は同日、電子メールで声明を発表。「私の最優先課題は経済を今、成長軌道に乗せることだ」と強調し、大型の公共投資が「経済を活性化し、雇用を確保する」と述べた。ただ「包括的な構造改革にも着手し、財政規律は引き続き厳格に維持する」と言明した。
ドイツ経済は23年と24年の2年連続でマイナス成長に陥っており、メルツ政権は立て直しに注力する方針だ。このため、従来は手薄だった公共事業分野に財政資金を振り向ける考えで、国防と社会インフラ向け予算の大幅増加を念頭に置いている。
政府は本予算に加え、老朽インフラ更新のために設立した特別基金や脱炭素経済への移行を資金面で援助する別の基金も活用する。
政府は本年度予算案の策定を進めており、6月25日に閣議決定を予定している。