イスラエル成長率、ガザ戦争が半年長引けば0.5%低下=中銀総裁

5月27日、イスラエル銀行(中央銀行)のヤロン総裁は、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとの戦争がさらに6カ月続けば、2025年のイスラエル成長率は0.5ポイント低下し、債務負担が一段と増加するとの見通しを示した。写真は同日、イスラエルのガザとの境界付近で撮影(2025年 ロイター/Amir Cohen)
Steven Scheer
[エルサレム 27日 ロイター] - イスラエル銀行(中央銀行)のヤロン総裁は27日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとの戦争がさらに6カ月続けば、2025年のイスラエル成長率は0.5ポイント低下し、債務負担が一段と増加するとの見通しを示した。
中銀は26日、政策金利を11会合連続で据え置いた。
ヤロン氏は、不透明な地政学的状況と短期的なインフレ環境を踏まえ、金融政策は引き続き「慎重」である必要があると述べた。政策担当者らはインフレ緩和まで利下げを見送る用意があるとしている。
中銀は、ガザでの戦争が終結すれば、今年の経済成長ペースは24年の1%から3.5%に加速すると見込んでいる。
ヤロン氏は、無党派シンクタンクのイスラエル民主主義研究所(IDI)の年次経済会議でロイターに、「現時点では、戦争は特に労働市場を通じて経済に影響している」と指摘。予備役に召集されている期間は働けない市民が存在することに言及した。
中銀は、予備役の召集率が第2・四半期に減少し始めると想定していた。
一方、ヤロン氏は「ガザでの戦争がさらに6か月間激化すれば、25年の成長率は0.5%低下する」と予想。また債務の対国内総生産比は69%から71%に上昇するとの見通しを示した。